【HALCON】image_points_to_world_plane 関数について - 画像座標から世界座標への変換
2024-09-06
2024-09-06
HALCON
のimage_points_to_world_plane
関数は、画像上の2D座標を物理的な世界座標に変換するためのツールです。この関数は、カメラキャリブレーションデータを基にして、画像内の点が3D空間内のどの位置に対応するかを計算するために使用されます。
image_points_to_world_plane 関数の概要
image_points_to_world_plane
関数は、画像の2D座標を世界座標平面上に変換します。これは、キャリブレーションされたカメラの内部パラメータ(焦点距離、レンズの歪みなど)および外部パラメータ(カメラ位置、カメラの向き)を基にして、物体の物理的な位置を推定する際に役立ちます。例えば、工業用ロボットの位置決めや、寸法測定を正確に行う際に使用されます。
使用方法
image_points_to_world_plane
関数の基本的な使用方法は以下の通りです。
image_points_to_world_plane(CameraParam, ImageRow, ImageColumn, CameraHeight, WorldX, WorldY)
-
CameraParam
キャリブレーションされたカメラパラメータを指定します。この情報には、カメラの内部・外部パラメータが含まれます。 -
ImageRow
,ImageColumn
画像上の点の行列(ピクセル座標)。変換したい2D画像座標を指定します。 -
CameraHeight
カメラの高さ。カメラから世界座標平面までの高さを指定します。 -
WorldX
,WorldY
変換された世界座標のx座標とy座標(出力)。
この関数を使用することで、カメラのキャリブレーションデータに基づいて、画像上のピクセル座標を物理空間の世界座標に変換することができます。
具体例
次に、image_points_to_world_plane
関数を使って画像座標を世界座標に変換する例を示します。
* キャリブレーションパラメータの読み込み
read_cam_par("calib_data.dat", CameraParam)
* 画像上の点の座標
ImageRow := 300
ImageColumn := 400
* カメラの高さを指定
CameraHeight := 1000.0
* 画像座標を世界座標に変換
image_points_to_world_plane(CameraParam, ImageRow, ImageColumn, CameraHeight, WorldX, WorldY)
* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'World Coordinates: ' + WorldX + ', ' + WorldY, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、キャリブレーションデータCameraParam
を読み込み、画像上の座標(300, 400)
を物理空間の世界座標に変換しています。カメラの高さを1000mmに設定し、変換された世界座標WorldX
とWorldY
を表示しています。
応用例
image_points_to_world_plane
関数は、以下のようなシナリオで特に有効です。
-
ロボット制御と位置決め
カメラを用いて画像上で認識した物体の位置を、実際の3D空間内での座標に変換し、ロボットの制御に利用します。 -
寸法測定
画像上の測定値を物理的な長さに変換し、精密な寸法測定を行う際に役立ちます。 -
カメラキャリブレーションを用いた解析
カメラキャリブレーションを適用することで、歪み補正や視点の補正を行い、正確な世界座標を取得します。
まとめ
HALCON
のimage_points_to_world_plane
関数は、キャリブレーション済みのカメラデータを用いて、画像上の座標を物理的な世界座標に変換するための強力なツールです。この関数を使うことで、工業検査やロボット制御など、様々なシーンでの正確な位置決めや測定が可能になります。