【HALCON】inpainting_ced 関数について - 拡散フィルタを用いた補完
2024-09-04
2024-09-04
HALCON
のinpainting_ced
関数は、連結拡散(Coherence-Enhancing Diffusion)フィルタを活用して、画像の補完や修復を行うための関数です。この技術は、画像内のエッジや構造を保持しながらノイズや欠損部分を効果的に補完することができ、さまざまな応用シーンで使用されています。
inpainting_ced 関数の概要
inpainting_ced
関数は、特に画像のエッジや方向性のある構造を重視した補完を行うために設計されています。連結拡散フィルタを使用することで、エッジ部分の鮮明さを保ちながら、滑らかな補完を実現します。これにより、特に医用画像処理や損傷した写真の修復などで高い効果を発揮します。
使用方法
基本的なinpainting_ced
関数の使用例は以下の通りです。
inpainting_ced(Image, Region, Theta, Contrast, Sigma, Iterations, Result)
Image
処理対象の入力画像。Region
補完を行う領域を定義するマスク。Theta
拡散方向を制御するパラメータ。Contrast
拡散のコントラスト強度を調整するパラメータ。Sigma
拡散フィルタのスムージング強度を制御するパラメータ。Iterations
拡散処理を繰り返す回数。Result
処理結果が格納される出力画像。
具体例
以下に、inpainting_ced
関数を使用して損傷画像の補完を行う例を示します。
* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'damaged_image')
* 欠損領域の定義
threshold(Image, Region, 128, 255)
* 連結拡散フィルタを用いた補完の実行
inpainting_ced(Image, Region, 1.0, 0.9, 1.5, 50, Result)
* 結果を表示
disp_image(Result, WindowHandle)
この例では、しきい値処理で定義した欠損領域に対して連結拡散フィルタを適用し、エッジを保持しながら画像全体を滑らかに補完します。
応用例
inpainting_ced
関数は、さまざまな応用例に対応しています。
-
医用画像処理
CTスキャンやMRI画像のノイズ除去や補完に利用され、画像の精度を向上させます。 -
写真修復
古い写真や破損した画像の欠損部分を修復し、元の状態に近づけるために使用されます。 -
ノイズ除去
監視映像や工業画像の処理で、ノイズを効果的に除去しつつ、重要なエッジ情報を保持します。 -
圧縮アーティファクトの除去
JPEG圧縮によるブロックノイズなどのアーティファクトを連結拡散技術を使って除去し、画像の品質を向上させます。
まとめ
HALCON
のinpainting_ced
関数は、連結拡散フィルタを用いて画像の欠損部分やノイズを補完するための高度なツールです。この技術を利用することで、エッジの鮮明さを保ちながらも、滑らかで精度の高い修復が可能です。さまざまな画像処理タスクにおいて、その効果を発揮します。