【HALCON】intersect_lines_of_sight 関数について - 視線の交差点の計算
2024-09-04
2024-09-04
HALCON
のintersect_lines_of_sight
関数は、2つの視線が3D空間上で交差する点を計算するためのツールです。この関数は、異なるカメラから得られた視線データを基にして、物体の正確な3D位置を推定する際に使用されます。カメラベースの測定システムや視覚センサーを用いた3D解析で広く活用されています。
intersect_lines_of_sight 関数の概要
intersect_lines_of_sight
関数は、2つのカメラやセンサーから得られる視線(始点と方向ベクトル)を基に、その視線が交差する点(または最も近い点)を3D空間で計算します。これにより、物体の正確な位置を推定することが可能になります。この技術は、特に3D再構築や多視点カメラシステムでの位置推定に役立ちます。
使用方法
基本的なintersect_lines_of_sight
関数の使用例は以下の通りです。
intersect_lines_of_sight(StartPoint1, DirVector1, StartPoint2, DirVector2, Intersection, Dist)
StartPoint1
最初の視線の始点(3D座標)。DirVector1
最初の視線の方向ベクトル。StartPoint2
2つ目の視線の始点(3D座標)。DirVector2
2つ目の視線の方向ベクトル。Intersection
視線の交差点、または最も近い点の3D座標。Dist
視線間の最短距離。
具体例
以下に、intersect_lines_of_sight
関数を使用して2つの視線が交差する点を計算する例を示します。
* 視線1の始点と方向ベクトル
StartPoint1 := [0.0, 0.0, 0.0]
DirVector1 := [1.0, 1.0, 1.0]
* 視線2の始点と方向ベクトル
StartPoint2 := [1.0, 1.0, 0.0]
DirVector2 := [-1.0, -1.0, 1.0]
* 交差点の計算
intersect_lines_of_sight(StartPoint1, DirVector1, StartPoint2, DirVector2, Intersection, Dist)
* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Intersection: ' + Intersection + ' Dist: ' + Dist, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、2つの視線の始点と方向ベクトルを基にして、3D空間での交差点を計算しています。Intersection
には交差する点の3D座標が、Dist
には視線間の最短距離が格納されます。
応用例
intersect_lines_of_sight
関数は、以下のような応用シーンで利用されます。
-
3D再構築
複数のカメラから取得した視線データを基に、物体の3D位置を正確に再構築します。 -
位置推定
2つの異なる視点からのデータを用いて、物体の正確な3D位置を推定するために使用されます。産業用ロボットのナビゲーションや精密測定に役立ちます。 -
視覚システムの校正
複数のカメラやセンサーの視線を調整し、物体の位置を正確に捉えるためのシステム校正にも利用されます。
まとめ
HALCON
のintersect_lines_of_sight
関数は、複数の視線データから3D空間での交差点を計算するための強力なツールです。この関数を使用することで、複数のカメラやセンサーからのデータを組み合わせて物体の正確な位置を推定でき、3D解析や位置推定の分野で大いに役立ちます。