【HALCON】intersection_ll 関数について - 2つの無限直線の交差点計算
2024-09-04
2024-09-04
HALCON
のintersection_ll
関数は、2つの無限直線が交差する点を計算するためのツールです。この関数を使用することで、無限に延長した2つの直線が交差する位置を正確に特定できます。無限直線を扱うこの関数は、幾何学的解析や物体の正確な位置検証において非常に役立ちます。特に、設計や製品検査など、精度が求められるシーンで活用されます。
intersection_ll 関数の概要
intersection_ll
関数は、2つの無限直線がどこで交差するかを計算します。無限直線は、それぞれ2つの点によって定義されます。関数はこれらの直線が交差するかどうかを判定し、交差する場合はその点の座標を返します。また、直線が平行で交差しない場合には、そのことを示すフラグを出力します。
使用方法
基本的なintersection_ll
関数の使用方法は以下の通りです。
intersection_ll(Row1Start, Column1Start, Row1End, Column1End, Row2Start, Column2Start, Row2End, Column2End, IntersectRow, IntersectColumn, IsParallel)
Row1Start
最初の無限直線の始点の行座標。Column1Start
最初の無限直線の始点の列座標。Row1End
最初の無限直線の終点の行座標。Column1End
最初の無限直線の終点の列座標。Row2Start
2つ目の無限直線の始点の行座標。Column2Start
2つ目の無限直線の始点の列座標。Row2End
2つ目の無限直線の終点の行座標。Column2End
2つ目の無限直線の終点の列座標。IntersectRow
直線同士の交差点の行座標(出力)。IntersectColumn
直線同士の交差点の列座標(出力)。IsParallel
2つの無限直線が平行かどうかを示すフラグ(出力)。
具体例
以下に、intersection_ll
関数を使用して2つの無限直線が交差する点を計算する例を示します。
* 最初の無限直線の始点と終点を定義
Row1Start := 50
Column1Start := 50
Row1End := 100
Column1End := 100
* 2つ目の無限直線の始点と終点を定義
Row2Start := 50
Column2Start := 100
Row2End := 100
Column2End := 50
* 2つの無限直線の交差点を計算
intersection_ll(Row1Start, Column1Start, Row1End, Column1End, Row2Start, Column2Start, Row2End, Column2End, IntersectRow, IntersectColumn, IsParallel)
* 結果を表示
if (IsParallel)
disp_message(WindowHandle, 'Lines are parallel', 'window', 12, 12, 'black', 'true')
else
disp_message(WindowHandle, 'Intersection at: ' + IntersectRow + ',' + IntersectColumn, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
endif
この例では、2つの無限直線が定義されています。最初の無限直線は[50, 50]
から[100, 100]
、2つ目は[50, 100]
から[100, 50]
に延びています。交差点の座標がIntersectRow
とIntersectColumn
に格納され、直線が平行でない場合にその交差点が表示されます。もし平行で交差しない場合は、IsParallel
がtrue
となります。
応用例
intersection_ll
関数は、以下のような応用シーンで利用されます。
-
幾何学的解析
無限直線同士の交差点を計算することで、設計や建築における構造物の交差点やラインの確認が行えます。 -
位置決めと配置検証
異なるオブジェクトや部品の位置関係を検証し、交差点が正しい位置にあるかどうかを確認します。 -
製品検査
工業製品の形状や部品の配置が設計通りであるかを確認し、無限に延長されたライン上で交差点を検出します。
まとめ
HALCON
のintersection_ll
関数は、2つの無限直線が交差する点を計算するための非常に強力なツールです。この関数を使用することで、物体の形状や位置関係を正確に解析し、幾何学的な設計や製品検査において非常に役立ちます。特に、直線同士の交差点や平行性を評価する際に効果的です。