【HALCON】invar_fourier_coeff 関数について - フーリエ係数を用いた形状不変量計算
2024-09-04
2024-09-04
HALCON
のinvar_fourier_coeff
関数は、フーリエ係数を用いて形状の不変量を計算するためのツールです。この関数を使用することで、スケーリングや回転に影響されない形状の特徴を抽出することができ、形状認識やパターンマッチングなど、画像解析において非常に有効です。
invar_fourier_coeff 関数の概要
invar_fourier_coeff
関数は、入力された輪郭のフーリエ係数を計算し、その係数を元に形状の不変量を求めます。フーリエ変換を用いることで、輪郭の形状が回転やスケーリング、平行移動によって変化しても、安定した形状の特徴を抽出することができます。この不変量を用いることで、異なるスケールや回転角度を持つ形状同士でも、同じ形状かどうかを認識することが可能です。
使用方法
基本的なinvar_fourier_coeff
関数の使用方法は以下の通りです。
invar_fourier_coeff(Contour, NumCoeffs, Invariants)
Contour
フーリエ係数を計算する入力のXLD輪郭。NumCoeffs
計算するフーリエ係数の数。通常は形状の詳細に応じて適切な数を選択します。Invariants
計算された不変量(出力)。
具体例
以下に、invar_fourier_coeff
関数を使用して、XLD輪郭のフーリエ係数に基づいた形状不変量を計算する例を示します。
* XLD輪郭を生成
gen_circle_contour_xld(Contour, 100, 100, 50, 0, 6.28, 'positive', 1.0)
* フーリエ係数に基づく形状不変量を計算
NumCoeffs := 10
invar_fourier_coeff(Contour, NumCoeffs, Invariants)
* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Invariants: ' + Invariants, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、円形のXLD輪郭に対してフーリエ係数に基づいた形状不変量を計算しています。NumCoeffs
に指定した10個のフーリエ係数が計算され、結果として不変量が表示されます。
応用例
invar_fourier_coeff
関数は、以下のような応用シーンで利用されます。
-
形状認識
フーリエ係数を用いて形状の特徴を抽出し、異なる回転やスケーリングが施された形状同士を認識します。 -
パターンマッチング
画像中の物体が、事前に定義されたパターンと一致するかどうかを判定するために使用します。 -
検査および分類
工業製品や部品の形状を基に、異なるバリエーションを持つ製品を分類したり、設計に合致しているかどうかを確認します。
まとめ
HALCON
のinvar_fourier_coeff
関数は、フーリエ係数を用いてスケーリングや回転に影響されない形状不変量を計算するための重要なツールです。この関数を使用することで、安定した形状解析が可能となり、製品検査やパターン認識など、様々な分野で活用されます。特に、回転やスケーリングによって形状が変わる場面でも、高精度の認識が求められる場合に役立ちます。