【HALCON】line_position関数ガイド - 直線の位置と長さの計算

HALCONのline_position関数は、画像中の直線領域に対する中心座標、長さ、方向などの位置情報を計算するための関数です。これを使用することで、直線の正確な位置や長さを把握でき、幾何学的な処理やオブジェクトの配置解析に役立ちます。直線の中心位置や角度を計算することで、物体認識や位置合わせ、方向性の解析など、様々な画像処理アプリケーションに応用できます。

line_position関数の概要

line_position関数は、入力された直線領域の位置情報（中心座標や長さ、方向）を計算し、それに基づいて画像内の直線を解析します。直線の中心点、方向角度、長さ、幅などが計算され、これらの情報を用いて物体の位置や形状を把握することができます。

基本構文

line_position(RegionLine, RowCenter, ColumnCenter, Phi, Length1, Length2)

• RegionLine
  入力の直線領域。位置情報を計算する対象の直線です。
• RowCenter
  出力となる直線の中心の行座標。
• ColumnCenter
  出力となる直線の中心の列座標。
• Phi
  出力となる直線の方向角度（ラジアン単位）。
• Length1
  出力となる直線の長さ（メジャー軸方向）。
• Length2
  出力となる直線の幅（マイナー軸方向、通常は直線の幅として扱われます）。

この関数は、直線領域の中心点や方向角、長さ、幅を計算して、それぞれの結果を出力します。

使用例

次に、line_position関数を使って画像内の直線の位置や長さを計算するシンプルな例を示します。

* 直線領域の生成
gen_rectangle2(RegionLine, 256, 256, rad(30), 100, 10)

* 直線の位置と長さを計算
line_position(RegionLine, RowCenter, ColumnCenter, Phi, Length1, Length2)

* 結果の表示
disp_message(WindowID, 'Center: (' + RowCenter + ', ' + ColumnCenter + ')', 'window', 12, 12, 'black', 'true')
disp_message(WindowID, 'Angle (radians): ' + Phi, 'window', 12, 40, 'black', 'true')
disp_message(WindowID, 'Length: ' + Length1, 'window', 12, 68, 'black', 'true')
disp_message(WindowID, 'Width: ' + Length2, 'window', 12, 96, 'black', 'true')

この例では、指定された直線領域RegionLineの中心座標、方向角、長さ、幅を計算し、それぞれの結果を表示しています。

実際の応用

物体の位置や向きの解析

line_position関数を使用することで、画像内の直線的なオブジェクトの位置や向きを正確に把握できます。これにより、製造業の品質検査やオブジェクト配置の最適化が容易になります。特に、直線状の部品の正確な位置や向きを測定し、それに基づいて調整を行うことができます。

幾何学的形状の計測

直線の長さや幅の情報を用いて、幾何学的形状の計測を行うことができます。直線の長さは、物体の寸法測定に有効であり、製品の品質管理や寸法の検査に使用できます。

画像内の構造物の解析

line_positionを使用することで、画像内の建築物や工業製品の直線的な構造を解析し、それらの向きや配置を検出することができます。特に、正確な配置や角度を調べる必要があるシーンに適しており、精度の高い位置合わせが可能になります。

line_positionの応用例

次の例では、複数の直線領域に対してそれぞれの位置や長さを計算し、それに基づいて物体の配置を調整する方法を示します。

* 複数の直線領域を生成
gen_rectangle2(RegionLine1, 100, 150, rad(45), 120, 10)
gen_rectangle2(RegionLine2, 300, 400, rad(60), 80, 8)

* 各直線の位置と長さを計算
line_position(RegionLine1, RowCenter1, ColumnCenter1, Phi1, Length1_1, Length2_1)
line_position(RegionLine2, RowCenter2, ColumnCenter2, Phi2, Length1_2, Length2_2)

* 計算結果の表示
disp_message(WindowID, 'Line 1: Center (' + RowCenter1 + ', ' + ColumnCenter1 + ')', 'window', 12, 12, 'black', 'true')
disp_message(WindowID, 'Line 2: Center (' + RowCenter2 + ', ' + ColumnCenter2 + ')', 'window', 12, 40, 'black', 'true')

この例では、複数の直線領域に対して中心座標や長さ、角度を計算し、それぞれの結果を表示しています。

まとめ

HALCONのline_position関数は、画像内の直線領域の中心座標、方向角、長さ、幅を計算するための有効なツールです。これにより、直線的なオブジェクトの位置や向きを解析し、幾何学的な処理や画像解析に幅広く応用できます。製造業の検査、品質管理、寸法測定など、さまざまな場面で活用できる重要な機能です。