【HALCON】merge_cont_line_scan_xld 関数について - ラインスキャンデータの輪郭マージ

HALCONのmerge_cont_line_scan_xld関数は、複数のラインスキャンデータから取得されたXLD（Extended Line Description）輪郭を一つにマージするための強力なツールです。この関数を使用することで、スキャン中に分断された輪郭データを統合し、連続した輪郭を構築することができます。主に、ラインスキャンカメラを用いた製品検査や、断片化された形状を正確に再構築する必要がある場合に使用されます。

merge_cont_line_scan_xld 関数の概要

merge_cont_line_scan_xld関数は、複数の断片化されたXLD輪郭をマージし、一つの連続した輪郭データに統合します。ラインスキャンカメラで撮影されたデータは通常、個別のスキャンラインに基づいて輪郭が断片化されていることが多いため、この関数を使用してスキャン結果を一つの連続した輪郭に変換し、後続の処理や解析に使用します。

ラインスキャンカメラは、高速かつ高解像度で製品の表面やエッジをキャプチャできる一方で、スキャンの過程で得られる輪郭は断片化されがちです。この問題を解決するために、merge_cont_line_scan_xld関数を使用して、スムーズな連続輪郭を得ることが可能です。

使用方法

基本的なmerge_cont_line_scan_xld関数の使用方法は以下の通りです。

merge_cont_line_scan_xld(Contours, MergedContours, MaxDistance, MaxShift, MaxAngle)

• Contours
  マージする複数のXLD輪郭データ。
• MergedContours
  マージ後の連続したXLD輪郭データ（出力）。
• MaxDistance
  輪郭同士をマージする際の最大距離。これを超える距離にある輪郭はマージされません。
• MaxShift
  スキャンラインに沿った方向で許容される最大シフト量。
• MaxAngle
  マージ可能な最大角度差。

具体例

以下に、merge_cont_line_scan_xld関数を使用して複数のラインスキャン輪郭をマージする例を示します。

* 輪郭を生成（例としてスキャンされた複数の輪郭）
gen_contour_polygon_xld(Contour1, [100, 120, 140], [50, 50, 50])
gen_contour_polygon_xld(Contour2, [160, 180, 200], [50, 50, 50])

* 複数の輪郭をリストに追加
Contours := [Contour1, Contour2]

* 輪郭のマージを実行
MaxDistance := 20
MaxShift := 5
MaxAngle := 0.1
merge_cont_line_scan_xld(Contours, MergedContours, MaxDistance, MaxShift, MaxAngle)

* 結果を表示
disp_xld(MergedContours, WindowHandle)

この例では、gen_contour_polygon_xldを使用して2つのXLD輪郭を生成し、それらをmerge_cont_line_scan_xld関数でマージしています。設定されたMaxDistanceやMaxShift、MaxAngleの範囲内で、複数の輪郭が連続的なデータに統合されます。

応用例

merge_cont_line_scan_xld関数は、以下のような応用シーンで利用されます。

• ラインスキャンカメラを使用した製品検査
  高速で撮影された製品の輪郭データが断片化されている場合に、これを統合し、一つの連続した輪郭データとして再構築します。

• スキャンデータの3D再構築
  ラインスキャンの結果を3Dプロファイルに変換する際、断片的なデータを統合して正確な形状を得ることができます。

• エッジ検出の精度向上
  複数のスキャンから得られたエッジデータを統合し、より滑らかなエッジとして解析することで、製品検査や形状解析の精度が向上します。

まとめ

HALCONのmerge_cont_line_scan_xld関数は、複数のラインスキャンデータから得られたXLD輪郭をマージし、一つの連続した輪郭として再構築するための強力なツールです。この関数を使用することで、断片化された輪郭を統合し、製品の精密な検査や形状解析において精度を向上させることができます。ラインスキャンカメラを活用した高速検査の場面で特に有用です。