【HALCON】merge_regions_line_scan 関数について - ラインスキャン領域のマージ
2024-09-04
2024-09-04
HALCON
のmerge_regions_line_scan
関数は、ラインスキャンによって得られた断片的な領域データをマージし、一つの連続した領域に統合するための強力なツールです。この関数を使うことで、スキャン中に分断された領域を効率よく統合し、画像処理や製品検査において、精度の高い解析や計測を行うことができます。特に、ラインスキャンカメラを使用して高速で製品表面やエッジをキャプチャする際に発生する領域の断片化問題を解決するのに役立ちます。
merge_regions_line_scan 関数の概要
merge_regions_line_scan
関数は、複数の断片化された領域を一つに統合し、連続した形状を生成します。これにより、個別のスキャンラインごとに得られた領域データを滑らかに繋ぎ、製品や対象物の全体像を正確に再構築できます。ラインスキャンカメラで得られる画像データは高速で精密ですが、断片化した領域が多く発生するため、これをマージすることによって、より一貫した領域データを生成できます。
この関数は、製品検査や品質管理、ラインスキャンデータの後処理に特に有用です。
使用方法
基本的なmerge_regions_line_scan
関数の使用方法は以下の通りです。
merge_regions_line_scan(Regions, MergedRegions, MaxDistance, MaxShift, MaxAngle)
Regions
マージ対象となる複数の領域。MergedRegions
マージ後の連続した領域(出力)。MaxDistance
領域同士をマージする際の最大距離。これを超える距離にある領域は統合されません。MaxShift
スキャンライン方向に沿った最大許容シフト量。MaxAngle
マージ可能な領域間の最大角度差。
具体例
以下に、merge_regions_line_scan
関数を使用して複数の領域を統合する例を示します。
* 複数の領域を生成(例としてスキャンされた断片的な領域)
gen_rectangle1(Region1, 100, 50, 120, 150)
gen_rectangle1(Region2, 130, 50, 150, 150)
* 複数の領域をリストに追加
Regions := [Region1, Region2]
* 領域のマージを実行
MaxDistance := 20
MaxShift := 5
MaxAngle := 0.1
merge_regions_line_scan(Regions, MergedRegions, MaxDistance, MaxShift, MaxAngle)
* 結果を表示
disp_region(MergedRegions, WindowHandle)
この例では、gen_rectangle1
を使用して2つの領域を生成し、それらをmerge_regions_line_scan
関数で統合しています。設定されたMaxDistance
やMaxShift
、MaxAngle
の範囲内で、複数の領域が連続的なデータとして統合されます。
応用例
merge_regions_line_scan
関数は、以下のような応用シーンで利用されます。
-
ラインスキャンカメラを使用した製品検査
ラインスキャンデータを元に、断片的な領域を統合し、製品の表面全体の状態や形状を正確に把握します。 -
複数の領域データの統合
異なるスキャンラインで取得した領域を一つにまとめることで、連続的な領域としてデータを解析・管理できます。 -
製品の形状解析
断片的な形状データを滑らかに統合し、正確な形状解析を行います。これにより、製造過程での品質管理が向上します。
まとめ
HALCON
のmerge_regions_line_scan
関数は、ラインスキャンデータから得られた複数の断片的な領域を統合し、連続した領域として再構築するための強力なツールです。この関数を使用することで、製品の検査や形状解析において、高速かつ正確な処理が可能になります。特に、ラインスキャンカメラを使用した製品検査の場面で、その効果を最大限に発揮します。