【HALCON】paint_region関数ガイド - 領域の塗りつぶし描画

HALCONのpaint_region関数は、指定された領域を指定したグレースケール値で塗りつぶし、画像を編集するための関数です。この機能により、画像内の特定部分を強調表示したり、カスタム編集を施すことができます。特定領域を塗りつぶすことで、後続の処理において注目すべき領域を明確にしたり、画像を修正する場面で有効です。

paint_region関数の概要

paint_region関数は、画像内の指定された領域に対して特定のグレースケール値を適用し、その領域を塗りつぶします。この処理は、領域をカスタマイズして表示したり、領域のグレースケール値を調整して画像の一部を修正したりする場合に使用されます。特定の領域を編集するためのツールとして便利です。

基本構文

paint_region(Region, Image, GrayImage, GrayValue, Type)

• Region
  描画する領域。グレースケール値を適用する領域を指定します。
• Image
  入力画像。領域に塗りつぶしを行う対象の画像です。
• GrayImage
  出力画像。指定された領域に対してグレースケール値で塗りつぶしを行った後の画像が格納されます。
• GrayValue
  塗りつぶしに使用するグレースケール値。領域内のピクセルに適用されます。
• Type
  塗りつぶしの方法を指定するパラメータ（例: 'fill'で領域全体を指定グレースケール値で塗りつぶします）。

この関数は、領域内のピクセルに対して指定されたグレースケール値を適用し、領域を塗りつぶします。

使用例

次に、paint_region関数を使用して、画像の特定の領域を塗りつぶすシンプルな例を示します。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 領域の作成（例: 長方形領域）
gen_rectangle1(RectangleRegion, 50, 50, 150, 150)

* 領域をグレースケール値128で塗りつぶし
paint_region(RectangleRegion, Image, GrayImage, 128, 'fill')

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(GrayImage, WindowID)

この例では、入力画像内に長方形領域を生成し、その領域内をグレースケール値128で塗りつぶしています。結果として、指定された領域だけが異なるグレースケール値で描画されます。

実際の応用

領域の強調表示

paint_region関数は、特定の領域を強調表示したい場合に有効です。特定のエリアを明確にするために、グレースケール値を調整して、領域を強調することができます。例えば、製品の検査時に、欠陥のある領域を強調表示して問題箇所を明示する場面で使用されます。

画像の編集と修正

画像の一部を修正したい場合、paint_region関数を使って、特定の領域にカスタムグレースケール値を適用し、画像を編集することが可能です。例えば、特定部分をマスクしてから新しい値で描画することで、画像の修正が簡単に行えます。

領域分割処理

領域分割を行った後、各領域を異なるグレースケール値で塗りつぶすことで、領域ごとに異なる特徴を持たせることができます。これにより、領域ごとの解析がしやすくなります。特に、セグメンテーション処理後の画像解析で役立ちます。

paint_regionの応用例

次の例では、製品検査システムにおいて、paint_region関数を使用して製品画像の欠陥領域を強調表示し、製品の状態を確認しています。

* 製品画像の読み込み
read_image(ProductImage, 'product_image')

* 欠陥領域の抽出（例: しきい値処理を使用）
threshold(ProductImage, DefectRegion, 128, 255)

* 欠陥領域をグレースケール値200で塗りつぶし
paint_region(DefectRegion, ProductImage, HighlightedImage, 200, 'fill')

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(HighlightedImage, WindowID)

この例では、製品画像内でしきい値処理を使って欠陥領域を抽出し、その領域をグレースケール値200で塗りつぶすことで、欠陥部分を強調表示しています。

領域の塗りつぶしの利点

領域の塗りつぶしは、特定の領域を目立たせたり、画像の一部を修正する際に非常に便利です。画像内の任意の領域をカスタマイズできるため、領域解析や結果の視覚化に有効です。また、セグメンテーション後の領域ごとの解析や、画像の一部を修正するためのツールとしても広く利用されます。

まとめ

HALCONのpaint_region関数は、画像内の指定領域をグレースケール値で塗りつぶすための強力なツールです。画像の特定部分を強調表示したり、カスタマイズすることで、製造業の検査や医療画像の解析など、様々なアプリケーションで活用できます。領域の編集や強調によって、解析を効率化し、重要な情報をわかりやすく表示することができます。