【HALCON】partition_lines関数ガイド - 直線の領域分割

HALCONのpartition_lines関数は、画像内の直線的な領域を検出し、その領域を分割するための関数です。この関数は、エッジ検出や直線的な物体の構造を解析する場面で効果的です。例えば、製造ラインや建築物の解析、道路や建物の輪郭抽出など、直線が多く含まれる画像の解析に活用されます。

partition_lines関数の概要

partition_lines関数は、画像内の直線的なエッジや構造物を検出し、それらを領域として分割します。この分割された領域は、直線的な部分に対応し、物体の特徴やエッジの抽出に役立ちます。直線部分を抽出することで、物体の形状や構造を簡単に解析することが可能になります。

基本構文

partition_lines(Image, PartitionRegions, Sigma, Low, High, Percent)

• Image
  入力画像。直線検出と分割を行う対象の画像です。
• PartitionRegions
  出力領域。検出された直線的な領域が格納されます。
• Sigma
  ガウスフィルタの標準偏差。エッジ検出の際のフィルタリングの強さを決定します。
• Low
  低いしきい値。エッジ検出の際の下限のしきい値を設定します。
• High
  高いしきい値。エッジ検出の際の上限のしきい値を設定します。
• Percent
  分割された直線の最小長さを設定するパラメータ。小さい値ほど短い直線も分割対象となります。

この関数は、指定された画像から直線的な部分を検出し、その領域を分割します。

使用例

次に、partition_lines関数を使用して画像内の直線部分を検出し、分割するシンプルな例を示します。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image')

* 直線的な領域の検出と分割
partition_lines(Image, PartitionRegions, 1.0, 30, 100, 50)

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_region(PartitionRegions, WindowID)

この例では、画像内の直線的な領域を検出し、指定したパラメータで分割を行います。結果として、直線的な部分が分割されて表示されます。

実際の応用

直線的な構造物の検出

partition_linesは、建物や道路など、直線的な構造物を持つ物体の検出に役立ちます。画像内のエッジを直線部分に分割することで、構造物の特徴を解析し、建物の形状や道路のラインを抽出できます。これにより、都市計画や道路交通システムでの画像解析に応用できます。

製造ラインの検査

製造業における製品検査では、製品のエッジや形状が正確に直線を保っているかどうかを確認することが重要です。partition_linesを使用することで、製品の直線部分を検出し、その部分が設計どおりかどうかを解析できます。これにより、製品の品質管理が向上します。

エッジの抽出と解析

エッジ検出後、直線部分のみを分割して抽出することで、物体の輪郭をさらに詳細に解析できます。エッジを直線的な部分に分割することで、物体認識や形状解析の精度が向上し、形状ベースの特徴抽出にも役立ちます。

partition_linesの応用例

次の例では、道路画像を解析し、道路の直線部分を検出して分割する方法を示します。

* 道路画像の読み込み
read_image(RoadImage, 'road_image')

* 道路の直線部分の検出と分割
partition_lines(RoadImage, RoadLines, 1.5, 50, 150, 80)

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 1024, 512, 'black', WindowID)
disp_region(RoadLines, WindowID)

この例では、道路の画像から直線部分を検出し、それを分割して表示しています。検出された道路のラインは、交通システムの解析や道路標識の認識に利用できます。

直線検出の利点

直線検出は、建築物、道路、製品のエッジなど、多くの産業分野で非常に重要です。特に、製造業での品質管理や都市計画、交通システムにおいて、物体の直線的な部分を正確に抽出することで、構造物の精度や機能性を評価することができます。また、エッジ検出に基づく直線抽出は、形状認識や物体識別の基礎としても使用されます。

まとめ

HALCONのpartition_lines関数は、画像内の直線的な領域を検出して分割するための強力なツールです。直線的な構造物の検出や、エッジの解析、製品検査、交通システムの画像解析など、多くの応用が可能です。直線を持つ物体の形状を詳細に解析し、領域ごとに分割して効率的な処理を行うことができます。