【HALCON】phase_deg関数ガイド - 位相角の計算(度単位)

【HALCON】phase_deg関数ガイド - 位相角の計算(度単位)

2024-09-11

2024-09-11

HALCONphase_deg関数は、複素画像データの実数部と虚数部から位相角を度単位で計算するための関数です。この関数を使用することで、画像の周波数解析や位相シフトの解析を行い、物体の回転角や動きを把握することが可能です。phase_degは、特にフーリエ変換や波動解析の後に、位相情報を取り出す際に役立ちます。

phase_deg関数の概要

phase_deg関数は、複素数画像の実数部と虚数部を基に、各ピクセルに対して位相角を計算し、その結果を度単位で出力します。位相角は、複素数の角度を示すもので、画像内のピクセルごとの位相シフトや物体の回転、動きを解析する際に重要な情報を提供します。

基本構文

phase_deg(ReImage, ImImage, PhaseImage)
  • ReImage
    複素画像の実数部を表す入力画像。
  • ImImage
    複素画像の虚数部を表す入力画像。
  • PhaseImage
    出力画像。各ピクセルの位相角が度単位で格納されます。

この関数は、指定された複素数画像の実数部と虚数部を基に位相角を計算し、その結果を出力画像として返します。

使用例

次に、phase_deg関数を使用して、複素画像から位相角を計算するシンプルな例を示します。

* 実数部と虚数部の画像を読み込み
read_image(ReImage, 'real_part_image')
read_image(ImImage, 'imaginary_part_image')

* 位相角を度単位で計算
phase_deg(ReImage, ImImage, PhaseImage)

* 結果の表示
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(PhaseImage, WindowID)

この例では、複素画像の実数部と虚数部から位相角を計算し、結果を画像として表示しています。位相角は度単位で出力されるため、物体の回転角度や位相シフトを確認できます。

実際の応用

フーリエ変換後の解析

フーリエ変換を行った後、phase_degを使用して位相角を計算することで、画像内の周期的な成分やシフト、回転に関する情報を得ることができます。これは、信号処理や画像解析において、周波数領域での特徴を調べる際に非常に有効です。

位相シフトの解析

位相シフトは、物体の動きや回転を追跡する際に重要な指標です。phase_degを使って複素数データの位相角を計算することで、物体がどの方向に動いているか、またはどの程度回転しているかを解析することができます。これは、モーション解析や物体追跡に役立ちます。

干渉パターンの解析

光学系や波動解析では、干渉パターンを解析するために位相情報が重要です。干渉縞の位相シフトを計算することで、波長の変化や物体の高さ、距離の変化などを精密に計測することが可能です。

phase_degの応用例

次の例では、フーリエ変換後の複素数画像データから位相角を計算し、物体の回転角度を解析しています。

* フーリエ変換後の実数部と虚数部を読み込み
read_image(ReImage, 'fourier_real_part')
read_image(ImImage, 'fourier_imaginary_part')

* 位相角の計算(度単位)
phase_deg(ReImage, ImImage, PhaseImage)

* 物体の回転角度を確認
dev_open_window(0, 0, 512, 512, 'black', WindowID)
disp_image(PhaseImage, WindowID)

この例では、フーリエ変換後の画像データから位相角を計算し、物体の回転角度を度単位で表示しています。これにより、物体がどの方向に回転しているかを視覚的に確認できます。

位相角の利点

位相角を解析することで、物体の動きや回転、周波数領域でのシフトを詳細に把握することができます。特に、フーリエ変換を使用する際、振幅情報と位相情報は互いに補完し合い、画像の周波数特性や物体の特徴を総合的に解析できます。これにより、画像内の周期的なパターンや物体の動きを精密に追跡することが可能です。

まとめ

HALCONphase_deg関数は、複素数データの実数部と虚数部を基に位相角を度単位で計算する強力なツールです。フーリエ変換後の画像解析や位相シフトの検出、物体の回転角度や動きの解析に幅広く利用されます。特に、信号処理や画像処理における周波数領域での特徴解析において重要な役割を果たします。

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