【HALCON】phase_rad 関数について - 位相のラジアン表現への変換

HALCONのphase_rad関数は、フーリエ変換（FFT）によって得られた位相をラジアン単位で表現するためのツールです。位相は、画像の周波数成分に関連する重要な情報で、画像内の変位や動きを解析する際に役立ちます。phase_rad関数を使ってラジアン表現に変換することで、精度の高い解析を行うことが可能です。

phase_rad 関数の概要

phase_rad関数は、複素数画像から位相情報を抽出し、それをラジアン単位で表現します。フーリエ変換によって得られる位相は、画像の各ピクセルの空間的な変位を示し、位相の変化をラジアンで表すことにより、周波数成分の解析がしやすくなります。ラジアン表現は、位相を精度高く表すための標準的な方法です。

基本構文

phase_rad(ComplexImage, PhaseImage)

• ComplexImage
  フーリエ変換から得られた複素数画像。
• PhaseImage
  位相がラジアン単位で出力される画像。

使用方法

以下は、phase_rad関数を使ってフーリエ変換の位相をラジアン単位に変換する基本的な例です。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image.tiff')

* 画像のフーリエ変換を実行
fft_image(Image, ComplexImage)

* 位相をラジアンで計算
phase_rad(ComplexImage, PhaseImage)

* 結果を表示
disp_image(PhaseImage, WindowHandle)

この例では、example_image.tiffという画像を読み込み、フーリエ変換を適用して複素数画像を生成します。その後、phase_rad関数を使って位相をラジアンで表現し、結果を画面に表示します。

応用例

phase_rad関数は、以下のような場面で特に有効です。

• 周波数成分の解析
  フーリエ変換を使用した画像解析において、位相は重要な情報となります。位相をラジアン単位で表現することで、画像内の周波数成分や変位を正確に解析できます。

• 動体検出と位置合わせ
  2つの画像間の平行移動や回転をラジアンで表現された位相をもとに解析することで、画像の位置合わせや動体検出を高精度に行うことができます。

• ノイズの影響解析
  画像内のノイズが位相に与える影響を解析し、画像の品質向上や復元に役立てることができます。

主な引数

• ComplexImage: フーリエ変換で得られた複素数画像。この画像には、振幅と位相の情報が含まれています。
• PhaseImage: 位相がラジアン単位で出力される画像。各ピクセルの位相がラジアン単位で表されます。

まとめ

HALCONのphase_rad関数は、フーリエ変換で得られた位相をラジアン単位に変換し、画像の周波数成分を解析するための重要なツールです。位相をラジアンで表現することで、周波数解析や画像の位置合わせ、動体検出において高精度な結果を得ることができます。