【HALCON】phot_stereo 関数について - フォトメトリックステレオ法による3D再構築

【HALCON】phot_stereo 関数について - フォトメトリックステレオ法による3D再構築

2024-09-06

2024-09-06

HALCONphot_stereo関数は、フォトメトリックステレオ法を使用して、複数の異なる照明条件で撮影された画像から物体の3D形状を再構築するためのツールです。フォトメトリックステレオ法は、物体の表面に照射される光の反射や陰影の情報を利用して、表面の法線ベクトルや形状を推定します。これにより、凹凸や微細な形状も詳細に解析することができます。

phot_stereo 関数の概要

phot_stereo関数は、異なる光源の照射条件下で撮影された複数の画像から、物体表面の法線ベクトルと3D形状を再構築します。これにより、物体の詳細な表面の凹凸や質感を解析することが可能です。この手法は、通常のステレオビジョン法とは異なり、照明の変化に基づく情報から形状を推定するため、特に微細な形状の解析に適しています。

基本構文

phot_stereo(Images, LightDirections, Normals, Albedo)
  • Images
    異なる照明条件で撮影された複数の入力画像。
  • LightDirections
    各照明の光源方向。
  • Normals
    出力される法線ベクトル(物体表面の向きを示す)。
  • Albedo
    物体のアルベド(表面の反射率)を出力。

使用方法

以下は、phot_stereo関数を使ってフォトメトリックステレオ法で3D形状を再構築する基本的な例です。

* 異なる照明条件で撮影された画像を読み込む
read_image(Image1, 'image_light1.tiff')
read_image(Image2, 'image_light2.tiff')
read_image(Image3, 'image_light3.tiff')

* 画像をリストにまとめる
Images := [Image1, Image2, Image3]

* 光源の方向を設定 (例として、3つの光源)
LightDirections := [[0,0,1], [1,0,1], [0,1,1]]

* フォトメトリックステレオを実行
phot_stereo(Images, LightDirections, Normals, Albedo)

* 結果を表示
disp_image(Normals, WindowHandle)

この例では、異なる光源下で撮影された3つの画像を使用して、物体の法線ベクトルを再構築しています。LightDirectionsには各光源の方向を指定し、法線ベクトルと表面の反射率(アルベド)が出力されます。

応用例

phot_stereo関数は、以下のような場面で特に有効です。

  • 微細な表面の形状解析
    照明の陰影を利用して、微細な凹凸や質感を解析できます。これにより、製造業での表面検査や文化遺産のデジタル復元などに役立ちます。

  • 3D形状の再構築
    通常のカメラを使用し、照明の変化を基に3D形状を推定するため、高価な3Dスキャナーを使用しなくても形状解析が可能です。

  • 表面のテクスチャ解析
    表面の反射率(アルベド)を解析することで、物体の材質やテクスチャの情報を取得できます。これにより、物体の質感を正確に再現することができます。

主な引数

  • Images
    異なる照明条件下で撮影された複数の画像。この画像群を使用して形状を推定します。
  • LightDirections
    各光源の方向を示す3次元ベクトルのリスト。
  • Normals
    再構築された物体表面の法線ベクトル(物体の3D形状情報)。
  • Albedo
    物体表面の反射率(アルベド)。各ピクセルの反射特性を示します。

まとめ

HALCONphot_stereo関数は、フォトメトリックステレオ法を使用して、複数の照明条件下で撮影された画像から物体の3D形状を再構築するための強力なツールです。表面の微細な凹凸や質感を解析し、物体の詳細な形状情報を得ることができ、製造業や検査、文化遺産のデジタルアーカイブに幅広く応用できます。

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