【HALCON】polar_trans_contour_xld 関数について - 極座標変換によるXLD輪郭の変換
2024-09-06
2024-09-06
HALCON
のpolar_trans_contour_xld
関数は、XLD(Extended Line Description)輪郭を極座標系に変換するためのツールです。この関数を使用することで、円形状の物体や領域を極座標で効率的に解析できます。極座標変換は、円形のパターンや回転対称の物体を解析する際に特に有効であり、物体の認識や幾何学的な特性を明確にするのに役立ちます。
polar_trans_contour_xld 関数の概要
polar_trans_contour_xld
関数は、指定されたXLD輪郭を極座標系に変換します。極座標系に変換することで、円や円環状の領域を持つ画像の処理が容易になり、物体の回転対称性の解析や、円周上の特徴点検出が可能になります。この関数は、画像内の回転対称な構造や領域を効率的に解析したい場合に便利です。
基本構文
polar_trans_contour_xld(Contour, PolarContour, CenterRow, CenterColumn, Radius, Angle, Mode)
Contour
変換する入力のXLD輪郭。PolarContour
変換されたXLD輪郭が出力されます。CenterRow
極座標変換の中心となる行座標(Y座標)。CenterColumn
極座標変換の中心となる列座標(X座標)。Radius
極座標変換の半径方向の値。Angle
極座標変換の角度方向の範囲。Mode
変換モード。通常は、'valid'
または'full'
が指定されます。
使用方法
以下は、polar_trans_contour_xld
関数を使ってXLD輪郭を極座標に変換する基本的な例です。
* 画像とXLD輪郭の読み込み
read_image(Image, 'example_image.tiff')
edges_sub_pix(Image, Contour, 'canny', 1, 20, 40)
* 極座標変換の中心座標を設定
CenterRow := 100
CenterColumn := 100
Radius := 50
Angle := 360
Mode := 'valid'
* XLD輪郭を極座標に変換
polar_trans_contour_xld(Contour, PolarContour, CenterRow, CenterColumn, Radius, Angle, Mode)
* 結果の表示
disp_image(Image, WindowHandle)
disp_xld(PolarContour, WindowHandle)
この例では、example_image.tiff
から抽出したXLD輪郭を、指定された中心座標(CenterRow
とCenterColumn
)を基に極座標系に変換しています。変換後のXLD輪郭はPolarContour
として出力され、画面に表示されます。
応用例
polar_trans_contour_xld
関数は、以下のような場面で特に有効です。
-
円形物体の解析
円形の物体や領域の輪郭を極座標に変換することで、回転対称性や角度ごとの特徴を効率的に解析できます。例えば、車輪やギアなどの円形の部品を解析する際に有効です。 -
回転対称物体の認識
物体が回転している場合でも、極座標に変換することで特徴点を抽出しやすくなります。物体の回転や傾きに強い認識アルゴリズムを構築できます。 -
画像の正規化
画像の一部分を極座標に変換して、物体の形状や動きを正規化することが可能です。これにより、変換後のデータを使った分析が容易になります。
主な引数
Contour
極座標に変換する入力のXLD輪郭。PolarContour
変換されたXLD輪郭が出力されます。CenterRow
極座標変換の中心のY座標(行)。CenterColumn
極座標変換の中心のX座標(列)。Radius
半径方向の値。円周や円環のサイズを指定します。Angle
極座標での角度範囲。通常は0から360度で指定します。Mode
変換モード。'valid'
は有効な領域のみを変換し、'full'
は全体を変換します。
まとめ
HALCON
のpolar_trans_contour_xld
関数は、XLD輪郭を極座標系に変換するための強力なツールです。円形の物体や回転対称な構造の解析を効率化し、画像処理の精度と速度を向上させることができます。物体認識、領域解析、回転対称性の解析において、非常に役立つ関数です。