【HALCON】polar_trans_image_ext 関数について - 拡張極座標変換による画像の幾何学的変換
2024-09-13
2024-09-13
HALCON
のpolar_trans_image_ext
関数は、画像を極座標系に変換することで、円形オブジェクトや回転対称なパターンの解析を効率的に行うためのツールです。拡張極座標変換では、画像の中心を基準にして角度と半径に基づく変換が行われ、円形や回転対称の物体を扱う場面で非常に効果的です。この変換を利用することで、回転に対して不変な特徴を抽出しやすくなり、画像認識やパターン検出に役立ちます。
polar_trans_image_ext 関数の概要
polar_trans_image_ext
関数は、指定された中心点から画像を極座標系に変換します。この変換により、円形オブジェクトや回転対称なパターンを線形的に展開し、解析しやすくなります。例えば、円の中心を基準にして放射状に展開された画像を処理することで、円形の欠陥検出や回転不変な特徴抽出が容易になります。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
polar_trans_image_ext(Image, ImagePolar, CenterRow, CenterCol, RadiusMin, RadiusMax, AngleStart, AngleEnd, Width, Height)
Image
処理対象となる入力画像。ImagePolar
極座標系に変換された出力画像。CenterRow
,CenterCol
極座標変換の中心となる画像内の行・列座標。RadiusMin
,RadiusMax
極座標系での最小および最大半径。AngleStart
,AngleEnd
極座標系での開始角度と終了角度(ラジアン単位)。Width
,Height
変換後の極座標画像の幅と高さ。
具体例
以下は、polar_trans_image_ext
関数を使用して画像を極座標系に変換する例です。
* 入力画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image.png')
* 極座標変換
polar_trans_image_ext(Image, ImagePolar, 256, 256, 50, 200, 0, rad(360), 512, 512)
* 結果の表示
dev_display(ImagePolar)
この例では、入力画像の中心点を(256, 256)に設定し、半径50から200の範囲で極座標変換を行っています。変換された画像は、指定された幅と高さ(512x512)の極座標画像として出力され、円形パターンが線形的に展開された形で表示されます。
応用例
polar_trans_image_ext
関数は、以下のようなシーンで特に役立ちます。
-
円形オブジェクトの解析
円形状の物体やパターンを扱う際に、極座標変換を行うことで円周上の情報を簡単に解析できます。例えば、円形の傷や欠陥の検出に有効です。 -
回転対称オブジェクトの検出
回転対称な物体の解析では、極座標変換を利用して、回転に依存しない形でパターンを検出します。 -
回転不変特徴の抽出
物体が回転しても特徴量が変わらないようにするため、極座標変換を行って回転に対する不変量を計算し、物体認識や分類に利用できます。
まとめ
HALCON
のpolar_trans_image_ext
関数は、円形や回転対称のパターンを解析するための非常に有効なツールです。極座標系に画像を変換することで、回転や円周上の特徴を効率的に扱うことができ、工業検査や画像認識など、多様な画像処理の場面で活用されます。この関数を使用することで、複雑な幾何学的構造をより簡単に解析できるようになります。