【HALCON】polar_trans_region_inv 関数について - 領域の極座標からの逆変換

HALCONのpolar_trans_region_inv関数は、極座標系に変換された領域をデカルト座標系（通常のXY座標系）に逆変換するためのツールです。この関数は、画像処理の過程で極座標変換を利用した後、元の座標系に戻して最終的な解析や表示を行いたい場合に役立ちます。特に、円形や回転対称な物体を扱う際の解析に有効です。

polar_trans_region_inv 関数の概要

polar_trans_region_inv関数は、極座標系で表現された領域を元のデカルト座標系に逆変換します。極座標変換は、円形オブジェクトや回転対称なパターンを効率的に処理するために便利ですが、最終的な解析や可視化のためには、デカルト座標系に戻す必要があります。この逆変換を行うことで、極座標系での処理結果を通常のXY座標系に変換できます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

polar_trans_region_inv(PolarRegion, CartesianRegion, CenterRow, CenterCol, RadiusMin, RadiusMax, AngleStart, AngleEnd, Width, Height)

• PolarRegion
  極座標系で表現された入力領域。
• CartesianRegion
  逆変換後のデカルト座標系での出力領域。
• CenterRow, CenterCol
  変換の中心点（行・列座標）。
• RadiusMin, RadiusMax
  変換時の極座標系における最小および最大半径。
• AngleStart, AngleEnd
  極座標での角度範囲（ラジアン単位）。
• Width, Height
  逆変換後の画像の幅と高さ。

具体例

以下は、polar_trans_region_inv関数を使用して極座標系の領域をデカルト座標系に逆変換する例です。

* 入力画像と領域の読み込み
read_image(Image, 'example_image.png')
threshold(Image, Region, 128, 255)

* 極座標変換
polar_trans_region(Region, PolarRegion, 256, 256, 50, 200, 0, rad(360), 512, 512)

* 極座標からデカルト座標系への逆変換
polar_trans_region_inv(PolarRegion, CartesianRegion, 256, 256, 50, 200, 0, rad(360), 512, 512)

* 逆変換された領域の表示
dev_display(CartesianRegion)

この例では、まず入力画像から領域を2値化して取得し、polar_trans_regionを使ってその領域を極座標系に変換しています。次に、polar_trans_region_inv関数を使用して、極座標で変換された領域を再びデカルト座標系に戻しています。最終的に逆変換された領域を表示します。

応用例

polar_trans_region_inv関数は、以下のようなシーンで特に役立ちます。

• 円形パターンの解析結果をデカルト座標系に戻す
  極座標系で解析された円形オブジェクトやパターンを、デカルト座標系に逆変換して表示し、解析結果を視覚化する際に使用されます。

• 回転対称オブジェクトの解析後の可視化
  回転対称な物体の構造や特徴を極座標系で解析し、その後元の座標系に戻して最終的な解析結果を得る場面で役立ちます。

• 極座標での効率的な処理後の統合
  極座標系を使用して回転や円周上の情報を効率的に処理した後、デカルト座標に戻すことで、他の解析手法と組み合わせた処理が行えます。

まとめ

HALCONのpolar_trans_region_inv関数は、極座標系で処理された領域をデカルト座標系に逆変換するための便利なツールです。この関数を使用することで、極座標系での効率的な解析とデカルト座標系での結果の表示や処理の統合が可能となります。円形オブジェクトや回転対称なパターンの処理において、極座標とデカルト座標の間で柔軟に変換を行うことができ、さまざまな画像処理シナリオで応用されています。