【HALCON】projective_trans_image 関数について - 画像の射影変換
2024-09-12
2024-09-12
HALCON
のprojective_trans_image
関数は、画像を指定されたホモグラフィー行列(射影変換行列)に基づいて変換し、視点の変更や幾何学的な補正を行うためのツールです。この関数は、画像を別の視点から見たように変形したり、レンズやカメラの歪みを補正したりする場面で広く使用されます。射影変換は、画像処理やコンピュータビジョンにおいて、正確な物体認識や画像の整合性を高めるために重要な技術です。
projective_trans_image 関数の概要
projective_trans_image
は、ホモグラフィー行列を使用して、画像を射影変換する関数です。射影変換は、画像の座標系を異なる視点に変換するため、画像の遠近法的な補正や、複数の視点からの画像統合に有効です。これにより、カメラ視点の変更やレンズ歪みの補正、ドキュメント画像の整形といった様々な画像処理が可能になります。
関数の基本構文
projective_trans_image(Image, ImageTrans, HomMat2D, Interpolation)
Image
変換対象の入力画像。ImageTrans
射影変換後の出力画像。HomMat2D
2D射影変換を行うホモグラフィー行列。Interpolation
画像変換時に使用される補間方法(例: ‘nearest_neighbor’, ‘bilinear’, ‘bicubic’など)。
この関数では、入力画像Image
をホモグラフィー行列HomMat2D
に基づいて変換し、補間方法を指定して新しい画像ImageTrans
を出力します。補間方法は、変換精度や処理速度に影響を与えるため、用途に応じて適切な手法を選択します。
使用方法
以下は、projective_trans_image
を使用して画像を射影変換する基本的な例です。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image.png')
* 射影変換行列の生成(回転と平行移動)
hom_mat2d_identity(HomMat2D)
hom_mat2d_rotate(HomMat2D, rad(45), 0, 0) * 45度回転
hom_mat2d_translate(HomMat2D, 100, 50) * 100ピクセル右, 50ピクセル下に移動
* 画像の射影変換
projective_trans_image(Image, ImageTrans, HomMat2D, 'bilinear')
* 結果を表示
dev_display(ImageTrans)
この例では、入力画像を45度回転させ、さらに平行移動する射影変換を行っています。変換後の画像は、bilinear
補間法を使用して、滑らかな変換結果が得られます。
応用例
projective_trans_image
は、次のようなシナリオで役立ちます。
-
カメラ視点の変更
カメラの位置や角度を変更したように画像を変換し、異なる視点から画像データを解析できます。特に3D解析や複数カメラを使用するアプリケーションで利用されます。 -
画像の歪み補正
レンズの歪みや遠近法によるゆがみを補正し、正しい形状や位置に基づいて画像を処理します。特にドキュメント画像の補正や精密な計測に使用されます。 -
オブジェクト認識とトラッキング
物体の形状が変わっても、視点に基づいて変形された物体を追跡したり認識するための前処理として、射影変換が活用されます。
具体例
以下に、射影変換を使用して画像を変換する実際の例を示します。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'building.png')
* 射影変換行列の生成(遠近法補正)
hom_mat2d_identity(HomMat2D)
hom_mat2d_translate(HomMat2D, 50, 100) * 平行移動
hom_mat2d_scale(HomMat2D, 0.8, 0.8, 200, 150) * 200,150を中心にスケール変更
* 画像の射影変換(補正)
projective_trans_image(Image, ImageTrans, HomMat2D, 'bicubic')
* 結果を表示
dev_display(ImageTrans)
このコードでは、建物の画像に遠近法的な変換を加えて補正しています。bicubic
補間法を使用することで、変換後の画像がより滑らかに仕上がります。
まとめ
HALCON
のprojective_trans_image
関数は、画像をホモグラフィー行列に基づいて射影変換するための強力なツールです。視点変更や幾何学的補正、レンズ歪みの補正など、幅広い画像処理アプリケーションで使用され、特にカメラ画像の調整や物体認識の前処理として重要です。