【HALCONのprojective_trans_point_3d関数について】
2024-09-10
2024-09-10
HALCON
のprojective_trans_point_3d
関数は、3D座標点をホモグラフィー行列を使用して射影変換するために使用される関数です。主に、3D空間内の座標点を別の視点や座標系に変換し、さまざまな応用シナリオで利用されます。ロボットビジョン、カメラキャリブレーション、3Dモデルの解析など、3Dデータを操作する際に欠かせないツールとなっています。
projective_trans_point_3dの概要
projective_trans_point_3d
関数は、ホモグラフィー行列を用いて3Dポイントの位置を変換し、元の3D座標系から新しい座標系に移動させます。この関数により、3Dオブジェクトやシーンの座標変換を容易に行うことができます。
使用方法
projective_trans_point_3d(HomMat3D, Px, Py, Pz, Qx, Qy, Qz)
HomMat3D
3Dホモグラフィー変換行列。Px, Py, Pz
変換対象となる入力の3D座標点。Qx, Qy, Qz
変換後の3D座標点が格納される変数。
具体的な使用例
次に、projective_trans_point_3d
関数を使って、3D座標点を変換する簡単な例を示します。
* 3Dホモグラフィー行列の定義(例: 単位行列)
HomMat3D := [1, 0, 0, 0, 0, 1, 0, 0, 0, 0, 1, 0, 0, 0, 0, 1]
* 変換する3D座標点の定義
Px := 100
Py := 50
Pz := 30
* 座標点の射影変換
projective_trans_point_3d(HomMat3D, Px, Py, Pz, Qx, Qy, Qz)
* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Transformed Point: ' + Qx + ', ' + Qy + ', ' + Qz, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、3D座標(Px, Py, Pz)
を単位ホモグラフィー行列HomMat3D
を用いて変換し、変換後の座標(Qx, Qy, Qz)
を取得しています。
ホモグラフィー行列の構築
HomMat3D
は、3D空間でオブジェクトを回転・平行移動させるための行列です。例えば、次のコードはZ軸に対して30度回転するホモグラフィー行列を生成する方法です。
* Z軸に対して30度回転するホモグラフィー行列を生成
hom_mat3d_rotate(HomMat3D, rad(30), 0, 0, 1, 0, 0, 0)
この行列を使用することで、3DオブジェクトをZ軸回りに回転させることができます。
応用例
projective_trans_point_3d
関数は、3D空間における座標変換や視点の変更を必要とするさまざまな場面で使用されます。以下は、その代表的な応用例です。
ロボットビジョン
ロボットの視覚システムでは、カメラで捉えた3D空間内の物体を特定の位置に正確に配置する必要があります。projective_trans_point_3d
を使用することで、ロボットの座標系に合わせて対象物の3D位置を変換し、正確なピッキングや動作が可能になります。
カメラキャリブレーション
カメラキャリブレーションにおいて、複数のカメラで撮影された3D座標点を統一された座標系に変換する必要があります。この関数を使用して、異なるカメラ視点間で座標の整合性を保つことができます。
3Dモデルの視点変更
3Dモデルの解析やシミュレーションにおいて、視点を変更して異なる角度から観察することが求められる場合があります。この関数を使用して、特定の視点からの3D座標を新しい座標系に変換し、さまざまな角度からのシーンを再現できます。
まとめ
HALCON
のprojective_trans_point_3d
関数は、3D座標点をホモグラフィー行列を用いて射影変換するための強力なツールです。ロボットビジョン、カメラキャリブレーション、3Dモデル解析など、3D空間での位置変換を必要とするシナリオで広く使用されています。正確な座標変換を通じて、複雑な3Dシステムの構築と制御が可能となります。