【HALCONのprojective_trans_region関数について】
2024-09-10
2024-09-10
HALCON
のprojective_trans_region
関数は、画像内の領域(Region)をホモグラフィー行列を使用して射影変換するための関数です。この関数は、特定の領域を新しい座標系や視点に変換するために使用され、カメラキャリブレーションや画像内の領域補正、視点変更など、さまざまな場面で利用されています。
projective_trans_regionの概要
projective_trans_region
関数は、指定されたホモグラフィー行列を基に画像内の領域を射影変換します。この関数は、領域の位置、形状、サイズを新しい座標系に合わせて変換するのに役立ちます。これにより、異なる視点やカメラ設定に基づいて領域を再配置することができます。
使用方法
projective_trans_region(Region, HomMat2D, 'constant', 'false', Width, Height, RegionTrans)
Region
変換対象となる入力の画像領域。HomMat2D
2Dホモグラフィー変換行列。Interpolation
変換時に使用する補間方法。ここでは'constant'
などを指定可能。Centering
画像の中心に対する補正を行うかどうかを'true'
または'false'
で指定。Width
出力画像の幅。Height
出力画像の高さ。RegionTrans
変換後の領域が格納される。
具体的な使用例
次に、projective_trans_region
を使用して画像領域を射影変換する例を示します。
* 領域を生成
gen_rectangle1(Rectangle, 100, 100, 200, 200)
* ホモグラフィー行列の定義(回転や平行移動など)
HomMat2D := [1.1, 0.2, 20, 0.1, 1.0, 30]
* 射影変換の実行
projective_trans_region(Rectangle, HomMat2D, 'constant', 'false', 640, 480, RegionTrans)
* 変換後の領域を表示
disp_region(RegionTrans, WindowHandle)
この例では、矩形領域をホモグラフィー行列HomMat2D
を用いて射影変換し、新しい領域RegionTrans
を生成しています。
ホモグラフィー行列の構築
ホモグラフィー行列は、画像内の領域を移動、回転、スケーリングなどの変換を行う際に使用されます。例えば、次のようにZ軸に対して30度回転するホモグラフィー行列を生成できます。
* Z軸に対して30度回転させるホモグラフィー行列
hom_mat2d_rotate(HomMat2D, rad(30), 320, 240)
これにより、画像内の特定の領域を回転させることが可能です。
応用例
projective_trans_region
関数は、さまざまな画像処理の場面で役立ちます。以下は、その主な応用例です。
カメラキャリブレーション
複数のカメラで撮影した画像を統一された座標系に合わせるために、projective_trans_region
を使用します。各カメラの視点に合わせてホモグラフィー行列を作成し、領域を変換することで、異なる視点間での整合性を保つことが可能です。
画像の視点変更
カメラの視点が異なる場合でも、同じ領域を異なる視点から正確に捉えるために、この関数を使って領域を射影変換します。これにより、異なる視点や角度からの画像を統一して解析できるようになります。
領域の歪み補正
レンズやカメラの設定によって発生する領域の歪みを補正する際にも、この関数が役立ちます。歪んだ領域をホモグラフィー行列で変換することで、正しい形状に修正することができます。
まとめ
HALCON
のprojective_trans_region
関数は、画像領域をホモグラフィー行列を使用して射影変換するための強力なツールです。カメラキャリブレーション、視点変更、領域の歪み補正など、さまざまなシナリオで利用可能です。精密な画像処理や解析を行うために、この関数を活用することで、より柔軟かつ正確な結果を得ることができます。