【HALCON】pruning 関数について - XLD輪郭の枝刈り処理
2024-09-12
2024-09-12
HALCON
のpruning
関数は、XLD(Extended Line Description)輪郭に対して枝刈り処理を行い、不要な細かい部分やノイズを除去して輪郭を整えるためのツールです。画像から抽出された輪郭には、細かい枝状のノイズや不要な線が含まれることがありますが、この関数を使用することで、主要な輪郭だけを残し、解析精度を高めることができます。輪郭処理や物体検出の前段階として、ノイズ除去やデータのクリーンアップに役立ちます。
pruning 関数の概要
pruning
関数は、XLD形式で表現された輪郭に含まれる枝状の細かい部分を除去するために使用されます。この枝刈り処理は、輪郭を滑らかにし、主要な形状のみを残すことで、ノイズを減らし、解析の精度を向上させます。特に、輪郭抽出後に細かいノイズが多く含まれる場合に有効です。
関数の基本構文
pruning(XLD, Length, PrunedXLD)
XLD
枝刈り処理を行う対象のXLD輪郭。Length
削除する枝の最小長さ(この長さ以下の枝が削除されます)。PrunedXLD
処理後の枝刈りされたXLD輪郭(出力)。
この関数では、XLD形式で表現された輪郭に対して、指定したLength
以下の長さの枝を除去し、主要な輪郭だけを残します。これにより、輪郭データがクリーンになり、ノイズや不要な部分が減少します。
使用方法
以下に、pruning
関数を使用してXLD輪郭を枝刈り処理する基本的な例を示します。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'sample_image.png')
* 輪郭の抽出
edges_sub_pix(Image, XLD, 'canny', 1, 20, 40)
* 枝刈り処理の適用(最小長さ10の枝を削除)
pruning(XLD, 10, PrunedXLD)
* 結果を表示
dev_display(PrunedXLD)
この例では、画像から抽出したXLD輪郭に対して、長さが10以下の枝を除去する枝刈り処理を行っています。結果として、主要な輪郭だけが残り、ノイズが削減されたクリーンな輪郭が得られます。
応用例
pruning
関数は、次のようなシナリオで活用されます。
-
輪郭ノイズの除去
画像から抽出された輪郭に対して、細かいノイズや不要な枝状部分を削除し、クリーンなデータを得るために使用されます。 -
形状解析の前処理
物体の形状を解析する前に、不要な部分を除去して解析の精度を向上させるために使用されます。特に、複雑な形状や細かい輪郭が多い場合に有効です。 -
オブジェクト検出や識別の精度向上
輪郭ベースのオブジェクト検出において、ノイズの影響を減らすために、主要な輪郭だけを残す前処理として使われます。
具体例
以下は、pruning
関数を使用してXLD輪郭からノイズを除去する具体的な例です。
* 輪郭の抽出
read_image(Image, 'complex_shape.png')
edges_sub_pix(Image, XLD, 'canny', 1, 30, 60)
* 枝刈り処理(枝の長さ5以下を削除)
pruning(XLD, 5, PrunedXLD)
* 処理後の輪郭を表示
dev_display(PrunedXLD)
このコードでは、複雑な形状を持つ画像から輪郭を抽出し、長さ5以下の枝を削除しています。これにより、主要な輪郭だけが残り、クリーンな輪郭データが得られます。
まとめ
HALCON
のpruning
関数は、XLD輪郭から不要な細かい枝を除去する強力なツールです。これにより、ノイズが削減され、輪郭の解析やオブジェクト検出の精度が向上します。特に、複雑な形状の輪郭を扱う場合に、枝刈り処理を適用することで、クリーンで正確な輪郭を得ることが可能です。