【HALCON】rank_rect 関数について - 矩形ランクフィルタを使用した画像処理
2024-09-12
2024-09-12
HALCON
のrank_rect
関数は、矩形領域を用いてランクフィルタリングを行い、画像のノイズ除去やエッジの強調を実現するためのツールです。この関数を使用することで、指定した矩形領域内のピクセルをランクに基づいて処理し、滑らかでノイズの少ない画像を生成することができます。特に、ノイズを除去しつつエッジを保持する画像処理タスクで有効です。
rank_rect 関数の概要
rank_rect
関数は、画像の特定の矩形領域内でランクフィルタを適用します。ランクフィルタは、ピクセル値を一定の順序に並べ、その中から特定のランク値(例えば中央値など)を選択して処理します。このフィルタリングにより、画像内のランダムなノイズが除去され、エッジ情報が保持されます。矩形領域を使用するため、画像の特定部分のフィルタリングにも柔軟に対応できます。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
rank_rect(Image, FilteredImage, Width, Height, Rank)
Image
フィルタリング対象の入力画像。FilteredImage
フィルタリング後の出力画像。Width
フィルタリングに使用する矩形領域の幅。Height
フィルタリングに使用する矩形領域の高さ。Rank
適用するランク値。例えば、0.5
は中央値フィルタを示し、0
は最小値、1
は最大値フィルタを表します。
具体例
以下に、rank_rect
関数を使用して画像に中央値フィルタを適用する例を示します。
* 画像の読み込み
read_image(Image, 'input_image')
* 中央値フィルタを適用(矩形サイズ: 5x5, ランク値: 0.5)
rank_rect(Image, FilteredImage, 5, 5, 0.5)
* フィルタリング後の画像を表示
disp_image(FilteredImage, WindowHandle)
この例では、5x5ピクセルの矩形領域を使って、rank_rect
関数によりランク値0.5
(中央値フィルタ)を適用しています。結果として、ノイズが除去された滑らかな画像が得られ、ウィンドウに表示されます。
応用例
rank_rect
関数は、以下のようなシナリオで特に効果的です。
-
ノイズ除去
矩形フィルタを使って画像内のノイズを効果的に除去し、平滑化を実現します。ランク値0.5
(中央値フィルタ)は、スパイクノイズやガウスノイズの除去に有効です。 -
エッジ保持平滑化
画像のエッジを保持しつつ、ノイズ除去や画像の平滑化を行うことで、画像全体の質を向上させます。 -
画像の部分的処理
矩形領域を使って、特定の部分のみをフィルタリングし、画像全体ではなく特定の領域で精度を高めることが可能です。
まとめ
HALCON
のrank_rect
関数は、矩形領域を用いたランクフィルタリングによって、画像のノイズ除去やエッジの保持を行うための便利なツールです。この関数を活用することで、画像処理の品質が向上し、滑らかでノイズの少ない画像を効率的に生成できます。特に、エッジを維持しながらのフィルタリングが必要な画像処理において、強力な効果を発揮します。