【HALCON】reconst3d_from_fundamental_matrix 関数について - 基礎行列からの3D再構成
2024-09-10
2024-09-10
HALCON
のreconst3d_from_fundamental_matrix
関数は、2つのカメラから得られた画像と、それらの画像間の基礎行列(Fundamental Matrix)を基に、シーンの3D再構成を行うための関数です。ステレオビジョン技術を使用し、2次元の画像データから深度情報を復元し、シーンの3Dモデルを生成します。これにより、画像解析や精密な計測が可能となります。
reconst3d_from_fundamental_matrix 関数の概要
reconst3d_from_fundamental_matrix
は、ステレオビジョンにおける3D再構成のために使用されます。この関数は、2つのカメラで撮影された異なる視点からの画像を入力とし、基礎行列を利用してそれぞれの画像上の対応点から3D空間上の点を計算します。基礎行列は、2つのカメラ間の幾何学的な関係を表し、カメラの内部および外部パラメータが知られていない場合でも使用できます。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
reconst3d_from_fundamental_matrix(Row1, Column1, Row2, Column2, FundamentalMatrix, X, Y, Z)
Row1
,Column1
最初の画像における点の座標(行と列)。Row2
,Column2
2番目の画像における対応する点の座標(行と列)。FundamentalMatrix
2つの画像間の基礎行列。この行列はカメラ間の幾何学的関係を表します。X
,Y
,Z
出力される3D座標。シーン内の点の空間座標がこれらの変数に格納されます。
例
* 2つの対応点セットを用意
Row1 := [100.0, 150.0]
Column1 := [200.0, 250.0]
Row2 := [102.0, 152.0]
Column2 := [202.0, 252.0]
* 基礎行列を定義
FundamentalMatrix := [-0.0001, 0.0002, -0.001, 0.0002, -0.0001, 0.001, -0.001, 0.001, 1.0]
* 3D再構成を実行
reconst3d_from_fundamental_matrix(Row1, Column1, Row2, Column2, FundamentalMatrix, X, Y, Z)
* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, '3D Points: X=' + X + ', Y=' + Y + ', Z=' + Z, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
この例では、2つの対応点セットと基礎行列を用いて、reconst3d_from_fundamental_matrix
関数を使用して3D再構成を行っています。
応用例
ステレオビジョンによる深度推定
reconst3d_from_fundamental_matrix
を使用することで、2台のカメラから取得した画像を基にシーンの深度情報を取得できます。この技術は、ロボティクスや自動運転における物体認識や障害物回避に役立ちます。
カメラパラメータが未知の場合の3D再構成
この関数は、カメラの内部パラメータが未知の場合でも、基礎行列さえ分かれば3D再構成が可能です。これにより、簡易的なステレオビジョンシステムの構築が可能になります。
画像解析や精密測定
2D画像から3D座標を推定することで、シーンの正確な形状を把握し、物体の大きさや距離を測定することが可能です。産業用検査や精密な計測システムで広く利用されています。
必要なデータ
reconst3d_from_fundamental_matrix
を使用するには、以下のデータが必要です。
- 2つの画像間の対応点:2つのカメラで撮影された画像から、対応する特徴点のペア。
- 基礎行列:2つの画像間の幾何学的関係を表す行列。この行列は、カメラキャリブレーションや特徴点の一致から計算できます。
まとめ
HALCON
のreconst3d_from_fundamental_matrix
関数は、2つのカメラ画像と基礎行列を使用して、3D再構成を効率的に行うための強力なツールです。ステレオビジョン技術を利用して、シーンの深度情報を取得し、産業用検査やロボティクスなどの分野で活用できます。