【HALCON】rectangle1_domain 関数について - 矩形領域の生成

HALCONのrectangle1_domain関数は、指定された座標に基づいて矩形領域（Rectangle1）を生成し、その領域を画像処理における関心領域（ROI: Region of Interest）として利用するための関数です。この関数を使用することで、画像の一部を切り出して解析や処理を行うことが可能です。例えば、製造業や品質検査において、画像の特定の領域に対してのみ処理を集中させる場面で活用されます。

rectangle1_domain 関数の概要

rectangle1_domainは、指定された座標範囲に基づいて矩形領域を生成するための関数です。この矩形領域は、画像処理における関心領域（ROI）として使用され、特定のエリアに対してフィルタリングや解析、特徴抽出などの処理を行うために役立ちます。この関数を使用することで、効率的に領域を指定し、不要な部分を除外して計算コストを削減することが可能です。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

rectangle1_domain(Rectangle, Row1, Column1, Row2, Column2)

• Rectangle
  生成される矩形領域が格納される変数。
• Row1, Column1
  矩形領域の左上の座標（行と列）。
• Row2, Column2
  矩形領域の右下の座標（行と列）。

例

* 矩形領域の左上と右下の座標を指定
Row1 := 100
Column1 := 200
Row2 := 300
Column2 := 400

* 矩形領域を生成
rectangle1_domain(Rectangle, Row1, Column1, Row2, Column2)

* 生成された矩形領域を表示
dev_display(Rectangle)

この例では、左上（100, 200）と右下（300, 400）の座標を基にrectangle1_domain関数を使用して矩形領域を生成し、その領域を表示しています。

応用例

特定エリアでの画像処理

rectangle1_domainを使用して、画像内の特定エリアを切り出し、そのエリアに対してのみフィルタ処理や解析を行うことができます。これにより、処理速度の向上や不要な領域の除外が可能です。

検査対象領域の抽出

製造ラインにおける品質検査では、製品の特定の部分だけを検査することがよくあります。rectangle1_domainを使用して検査対象領域を抽出し、その領域に対して詳細な検査を行うことで、効率的な不良品検出が可能となります。

関心領域（ROI）の設定

関心領域を設定することで、解析や計測対象のエリアを限定し、画像処理の精度を向上させることができます。これにより、無関係な領域に対する無駄な処理を省き、リソースを節約できます。

必要なデータ

rectangle1_domainを使用するには、以下の情報が必要です。

• 矩形領域の左上の座標（Row1, Column1）：矩形の開始点を定義します。
• 矩形領域の右下の座標（Row2, Column2）：矩形の終点を定義します。

これらの座標に基づいて、矩形領域が生成されます。

まとめ

HALCONのrectangle1_domain関数は、指定された範囲に基づいて矩形領域を効率的に生成し、画像処理の特定エリアに対して解析やフィルタリングを行うための便利なツールです。この関数を活用することで、ROIの設定や不要な領域の除外を行い、処理の効率化を図ることができます。製造業や品質検査など、多くの分野で使用される基本的な画像処理技術の一つです。