【HALCON】reduce_object_model_3d_by_view 関数について - 3Dオブジェクトモデルのビューによる削減

HALCONのreduce_object_model_3d_by_view関数は、3Dオブジェクトモデルを指定されたビューに基づいて削減し、特定の視点から見える部分だけを残すための関数です。この関数を使用することで、3Dオブジェクトモデルのデータ量を効率的に減らし、解析や表示処理の効率を向上させることができます。3Dモデルの視覚的な検査や、特定の方向から見える形状のみを解析したい場合に非常に有効です。

reduce_object_model_3d_by_view 関数の概要

reduce_object_model_3d_by_viewは、3Dオブジェクトモデルを指定された視点から見たときに見える部分のみを抽出し、他の部分を削減するための関数です。これにより、視覚的に重要な情報に焦点を当てて効率的にデータを扱うことが可能になります。例えば、製造業での検査プロセスで、特定の角度から見える部分だけを検査したい場合や、3Dモデルを特定のビューで表示する際に、見えない部分のデータを削除して効率化することができます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

reduce_object_model_3d_by_view(ObjectModel3D, CameraParam, Pose, MinFaceAngle, ReductionMode, ObjectModel3DReduced)

• ObjectModel3D
  削減対象となる3Dオブジェクトモデル。
• CameraParam
  カメラの内部パラメータを指定します（カメラの視野や焦点距離など）。
• Pose
  カメラの外部パラメータ（位置や方向）を指定するための変換行列。
• MinFaceAngle
  視点からの最小面角度。この値を設定することで、見えにくい面の除去が可能です。
• ReductionMode
  削減モードを指定します。モードによって、ポイント、面、エッジなど、どの要素を削減するかを選択します。
• ObjectModel3DReduced
  削減された3Dオブジェクトモデルが格納される変数。

例

* 3Dオブジェクトモデルを読み込む
read_object_model_3d('example_3d_model.om3', ObjectModel3D)

* カメラパラメータとカメラの位置（ポーズ）を設定
CameraParam := [0.02, 0, 0.001, 0, 0, 0, 640, 480]
Pose := [0, 0, 100, 0, 0, 0]

* 最小面角度を設定
MinFaceAngle := 30

* 削減モードを設定（例: 'keep_points'）
ReductionMode := 'keep_points'

* 3Dオブジェクトモデルを削減
reduce_object_model_3d_by_view(ObjectModel3D, CameraParam, Pose, MinFaceAngle, ReductionMode, ObjectModel3DReduced)

* 結果を保存
write_object_model_3d(ObjectModel3DReduced, 'reduced_model.om3')

この例では、3Dオブジェクトモデルを特定の視点（カメラ位置と向き）に基づいて削減し、その結果を保存しています。

応用例

特定視点からの3Dモデルの簡素化

reduce_object_model_3d_by_viewを使用することで、3Dモデルを特定の視点から見える部分のみに簡素化できます。これにより、3Dビジュアライゼーションやシミュレーションでのデータ負荷を大幅に軽減し、描画パフォーマンスを向上させることができます。

視点ごとの検査

製造ラインにおいて、製品の検査を特定の角度から行う必要がある場合、不要なデータを削除して効率的にモデルを検査できます。これにより、検査工程がスムーズになり、計算コストも削減されます。

不要なデータの除去

3Dモデルの視覚的に重要でない部分や見えない面を削減し、効率的にデータを扱うことで、モデルのサイズを削減し、システムのメモリ消費を抑えることが可能です。

入力データについて

reduce_object_model_3d_by_view関数の使用には以下のデータが必要です。

• 3Dオブジェクトモデル：削減対象となる3Dモデルのデータ。
• カメラパラメータ：カメラの内部パラメータ（焦点距離、センサーサイズなど）。
• ポーズ（カメラ位置と方向）：カメラの位置や向きに関する外部パラメータ。
• 最小面角度：カメラ視点からの最小面角度を指定し、見えにくい面を除去するためのパラメータ。
• 削減モード：保持する要素（ポイント、エッジ、面など）を指定するためのモード。

まとめ

HALCONのreduce_object_model_3d_by_view関数は、3Dオブジェクトモデルを特定の視点から見た際に見える部分だけを効率的に削減し、データの軽量化や解析の効率化を実現する便利なツールです。この関数を使用することで、3Dデータのビジュアル検査や分析がより高速かつ効率的に行え、特定の方向からの可視性に基づくモデルの最適化が可能となります。