【HALCON】regiongrowing 関数について - 領域拡張によるセグメンテーション

【HALCON】regiongrowing 関数について - 領域拡張によるセグメンテーション

2024-09-13

2024-09-13

HALCONregiongrowing関数は、領域拡張アルゴリズムを使用して画像をセグメント化するためのツールです。領域拡張は、指定されたシードポイントからスタートし、近傍のピクセルを一定の輝度差に基づいて結合していくことで、画像内の関連する領域を自動的に拡張します。この関数を使うことで、特定の物体や特徴を効果的に分離し、画像解析の精度を向上させることが可能です。

regiongrowing 関数の概要

regiongrowing関数は、指定されたシードポイントから輝度が類似する隣接ピクセルを結合し、領域を拡大することで画像をセグメント化します。セグメンテーションとは、画像を意味のある部分(領域)に分割する手法で、物体認識や画像解析において重要なステップです。regiongrowingを使用することで、画像内の特定の物体やパターンを簡単に抽出できます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

regiongrowing(Image, Regions, SeedRow, SeedColumn, Tolerance, MinSize)
  • Image
    処理する入力画像。
  • Regions
    出力される領域データ。領域拡張の結果を格納します。
  • SeedRow
    領域拡張を開始するシードポイントの行座標。
  • SeedColumn
    領域拡張を開始するシードポイントの列座標。
  • Tolerance
    輝度の許容差。シードポイントとの輝度差がこの値以下のピクセルが結合されます。
  • MinSize
    生成される領域の最小サイズ。小さすぎる領域を無視するために使用されます。

具体例

以下は、regiongrowing関数を使用して画像の特定領域を拡張する例です。

* 画像の読み込み
read_image(Image, 'example_image.png')

* シードポイントの指定
SeedRow := 100
SeedColumn := 150

* 輝度の許容差と最小領域サイズの設定
Tolerance := 10
MinSize := 50

* 領域拡張によるセグメンテーション
regiongrowing(Image, Regions, SeedRow, SeedColumn, Tolerance, MinSize)

* セグメント化された領域の表示
disp_region(Regions, WindowHandle)

この例では、指定されたシードポイント(SeedRow, SeedColumn)から領域拡張が行われ、Toleranceで定義された輝度差以下のピクセルが領域に結合されます。最終的に、拡張された領域が表示されます。

応用例

regiongrowing関数は、以下のようなシーンで特に役立ちます。

  • 物体のセグメンテーション
    画像内の特定の物体を抽出したい場合、シードポイントを物体内に設定し、領域拡張を行うことで物体全体をセグメント化できます。

  • 医療画像解析
    CTスキャンやMRI画像で、特定の臓器や病変を抽出する際に使用されます。シードポイントを臓器や病変内部に設定し、領域を拡張することで、医療画像の解析精度を向上させます。

  • 工業検査
    製造ラインでの品質検査や不良品検出において、製品の特定領域を拡張して欠陥部分を抽出・解析することが可能です。

まとめ

HALCONregiongrowing関数は、領域拡張を用いた画像セグメンテーションにおいて非常に強力なツールです。この関数を使用することで、画像内の特定領域を効果的に拡張し、解析や物体認識を効率化できます。医療画像や工業検査、物体認識など、さまざまな分野で広く利用される機能です。

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