【HALCON】regiongrowing_n 関数について - 指定領域からの領域成長(隣接ピクセル数基準)
2024-09-10
2024-09-10
HALCON
のregiongrowing_n
関数は、指定された初期点から隣接ピクセル数に基づいて領域を成長させ、画像内で均一な領域を抽出するための関数です。この関数は、領域内の隣接ピクセルを基にして領域を拡大し、セグメンテーションを行います。しきい値によって、成長するピクセルの範囲を制限し、同様の特性を持つ領域を効率的に分割・解析することが可能です。
regiongrowing_n 関数の概要
regiongrowing_n
は、初期点から開始して隣接ピクセルに基づいて領域を成長させるための関数です。領域の成長は、しきい値と隣接ピクセル数によって制御され、均一な特性を持つピクセルが領域に追加されます。これにより、画像内の異なる領域をセグメント化し、領域ごとの特性を解析するための前処理として利用できます。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
regiongrowing_n(Image, Regions, Row, Column, Tolerance, Neighbor, MinSize)
Image
処理対象となる元画像。Regions
抽出された領域が格納される変数。Row
,Column
領域成長の初期点の座標。Tolerance
領域成長のしきい値。この値が大きいほど、より幅広い範囲のピクセルが領域に含まれます。Neighbor
隣接ピクセル数(4近傍、8近傍など)を指定します。MinSize
成長する領域の最小サイズ。指定した最小ピクセル数以下の領域は除外されます。
例
* 画像を読み込む
read_image(Image, 'example_image')
* 領域成長の初期点を設定
Row := 100
Column := 150
* しきい値、隣接ピクセル数、最小サイズを設定
Tolerance := 20
Neighbor := 8
MinSize := 500
* 領域成長を実行
regiongrowing_n(Image, Regions, Row, Column, Tolerance, Neighbor, MinSize)
* 結果を表示
dev_display(Regions)
この例では、初期点(Row = 100, Column = 150)から領域成長を開始し、指定されたしきい値(Tolerance = 20)と隣接ピクセル数(Neighbor = 8)に基づいて成長を行っています。また、最小サイズ500ピクセル以下の領域は除外されます。
応用例
画像セグメンテーション
regiongrowing_n
を使用することで、画像内の均質な領域を自動的に抽出し、セグメンテーションを行うことができます。しきい値と隣接ピクセル数を調整することで、より柔軟な領域抽出が可能です。特定の特性を持つ領域を分割し、後続の解析処理に適用できます。
領域ごとの解析とフィルタリング
成長した領域を用いて、特定の領域のみを対象とした解析が可能です。例えば、同じ色や輝度を持つ領域を抽出して面積や形状を分析したり、興味のある領域をフィルタリングする際に使用されます。
ノイズ除去
領域の最小サイズを指定することで、小さなノイズを除去し、画像の重要な領域だけを成長させることができます。これにより、ノイズの影響を最小限に抑えつつ、重要な情報を保持した画像解析が可能です。
必要なデータ
regiongrowing_n
関数を使用するには、以下のデータが必要です。
- 元画像:処理対象となる画像。
- 初期点の座標:領域成長を開始する点の座標。
- しきい値:成長を制限する基準値。
- 隣接ピクセル数:成長するピクセルの隣接数(通常は4近傍または8近傍)。
- 最小領域サイズ:抽出する領域の最小ピクセル数。
これらのデータに基づいて、領域成長が実行され、指定された範囲の領域が抽出されます。
まとめ
HALCON
のregiongrowing_n
関数は、隣接ピクセル数に基づいて領域を成長させ、均質な領域を効率的に抽出するための便利なツールです。この関数を使用することで、画像内の特定の領域を自動的に分割し、セグメンテーションや領域解析を効率化できます。特に、同じ特性を持つ領域を抽出して解析する際や、ノイズ除去において非常に効果的です。