【HALCON】remove_calib_data 関数について - キャリブレーションデータの削除

HALCONのremove_calib_data関数は、カメラキャリブレーションデータセットから特定のデータ（カメラ、オブジェクト、参照物など）を削除するために使用されます。カメラキャリブレーションでは、複数のカメラやオブジェクトの位置関係を設定しますが、設定の変更や再キャリブレーションを行う際に、不要なデータを削除したり、データをリセットしたりする必要が生じることがあります。この関数を使用することで、キャリブレーションデータを効率的に管理し、適切に更新することができます。

remove_calib_data 関数の概要

remove_calib_dataは、既存のキャリブレーションデータセットから特定のカメラやオブジェクトのデータを削除します。この関数は、キャリブレーション設定を変更したり、不要なキャリブレーションデータを整理する際に有効です。例えば、特定のカメラをキャリブレーションから削除したい場合や、キャリブレーション対象のオブジェクトを変更したい場合に使用します。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

remove_calib_data(CalibDataID, ItemType, ItemIdx)

• CalibDataID
  キャリブレーションデータセットのハンドル。
• ItemType
  削除するデータの種類（例：'camera', 'object', 'calibration_object'）。
• ItemIdx
  削除するアイテムのインデックス（例：削除するカメラやオブジェクトのID）。

例

* キャリブレーションデータセットを読み込む
create_calib_data('calibration', 1, 1, CalibDataID)

* カメラのキャリブレーションデータを追加
add_calib_data(CalibDataID, 'camera', 0, 'camera_parameters')

* オブジェクトのキャリブレーションデータを追加
add_calib_data(CalibDataID, 'object', 0, 'object_model')

* キャリブレーションデータからカメラを削除
remove_calib_data(CalibDataID, 'camera', 0)

* キャリブレーションデータからオブジェクトを削除
remove_calib_data(CalibDataID, 'object', 0)

* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Calibration data removed', 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、カメラとオブジェクトのキャリブレーションデータを追加し、その後、それぞれのデータを削除しています。remove_calib_dataによって、特定のキャリブレーションデータが削除され、キャリブレーション設定が更新されます。

応用例

キャリブレーションの再設定

カメラシステムの構成変更や、キャリブレーションの精度向上を目的として再設定を行う際に、古いキャリブレーションデータを削除し、新しいデータを追加することで、正確なキャリブレーションを行うことができます。

不要なデータの整理

複数のカメラやオブジェクトを使用した大規模なキャリブレーションでは、不要なデータが蓄積することがあります。remove_calib_dataを使用して不要なデータを整理することで、キャリブレーションデータセットを簡潔かつ効率的に管理できます。

異なるオブジェクトやカメラのキャリブレーション

新しいオブジェクトやカメラをシステムに追加する際、古いキャリブレーションデータを削除してから新しいデータを登録することで、適切なキャリブレーションを行うことができます。これにより、キャリブレーションプロセスが正確に実行されます。

必要なデータ

remove_calib_data関数を使用するには、以下のデータが必要です。

• キャリブレーションデータセットのハンドル：キャリブレーションデータの管理用ID。
• 削除するデータの種類：削除する対象（例：カメラ、オブジェクト、キャリブレーションオブジェクトなど）。
• 削除するアイテムのインデックス：キャリブレーションデータ内での削除対象のID（カメラ番号やオブジェクト番号）。

これらのデータを基に、指定されたキャリブレーションデータが削除されます。

まとめ

HALCONのremove_calib_data関数は、キャリブレーションデータセットから特定のデータを削除するための便利なツールです。キャリブレーション設定を再調整したり、不要なデータを整理する際に使用することで、正確で効率的なキャリブレーションプロセスが実現します。カメラシステムの変更や、複数デバイスのキャリブレーションを管理する際に重要な役割を果たします。