【HALCON】remove_calib_data_observ 関数について - キャリブレーション観測データの削除

HALCONのremove_calib_data_observ関数は、カメラキャリブレーションデータセットから特定の観測データを削除するための関数です。カメラキャリブレーションプロセスでは、複数のカメラやキャリブレーションオブジェクトを使って観測データを取得しますが、不要な観測データや不正確なデータを削除することで、キャリブレーションの精度を高めることができます。この関数を使用することで、観測データの管理と精度の向上が可能になります。

remove_calib_data_observ 関数の概要

remove_calib_data_observは、カメラキャリブレーションで収集した観測データをキャリブレーションデータセットから削除します。この関数を使用することで、誤ったキャリブレーション観測データや不要なデータを整理し、キャリブレーションの精度を向上させることができます。特に複数回の観測が行われた場合、特定のカメラやオブジェクトに関連する観測データを個別に削除することが可能です。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

remove_calib_data_observ(CalibDataID, CameraIdx, CalibObjIdx)

• CalibDataID
  キャリブレーションデータセットのハンドル。
• CameraIdx
  削除する観測データに関連するカメラのインデックス。
• CalibObjIdx
  削除する観測データに関連するキャリブレーションオブジェクトのインデックス。

例

* キャリブレーションデータセットを作成
create_calib_data('calibration', 1, 1, CalibDataID)

* カメラとキャリブレーションオブジェクトを追加
add_calib_data(CalibDataID, 'camera', 0, 'camera_parameters')
add_calib_data(CalibDataID, 'calibration_object', 0, 'calib_object')

* 観測データを追加（キャリブレーションオブジェクトを観測）
set_calib_data_observ_points(CalibDataID, 0, 0, [50, 100], [150, 200])

* 観測データを削除
remove_calib_data_observ(CalibDataID, 0, 0)

* 結果を表示
disp_message(WindowHandle, 'Calibration observation data removed', 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、キャリブレーションデータセットにカメラとキャリブレーションオブジェクトを追加し、観測データを記録しています。その後、remove_calib_data_observ関数を使用して、指定されたカメラとオブジェクトに関連する観測データを削除しています。

応用例

不正確な観測データの削除

キャリブレーション中に取得された観測データが誤っている場合、remove_calib_data_observを使用して不正確なデータを削除することで、再キャリブレーションの精度を高めることができます。これにより、不要なデータが残らず、正確なキャリブレーションが保証されます。

キャリブレーションの再設定

複数回のキャリブレーション観測が行われた場合、不要な観測データを整理することで、キャリブレーションプロセスを再設定できます。たとえば、特定のカメラやオブジェクトに対して再キャリブレーションを行いたい場合に、古いデータを削除してから新しい観測データを追加することで、効率的な再設定が可能です。

マルチカメラシステムでのキャリブレーション管理

複数のカメラを使用するシステムでは、特定のカメラに関連する観測データを削除し、カメラごとに個別にキャリブレーションを管理することが求められます。remove_calib_data_observを使用することで、各カメラやキャリブレーションオブジェクトのデータを簡単に管理・整理できます。

必要なデータ

remove_calib_data_observ関数を使用するには、以下のデータが必要です。

• キャリブレーションデータセットのハンドル：キャリブレーションデータを管理するためのID。
• カメラのインデックス：観測データに関連するカメラの番号。
• キャリブレーションオブジェクトのインデックス：観測データに関連するオブジェクトの番号。

これらのデータに基づいて、指定されたカメラとオブジェクトに関連する観測データが削除されます。

まとめ

HALCONのremove_calib_data_observ関数は、カメラキャリブレーションにおける観測データを削除するための便利なツールです。不要な観測データや誤ったデータを整理することで、キャリブレーションの精度を高め、再設定や新しい観測データの追加を容易に行えます。複数のカメラやキャリブレーションオブジェクトを使用するシステムにおいて、観測データの管理が効率的に行えるため、キャリブレーションプロセスの精度向上に貢献します。