【HALCON】scene_flow_uncalib 関数について - 未キャリブレーションシーンフロー解析

HALCONのscene_flow_uncalib関数は、未キャリブレーションのカメラシステムを使用して、複数の画像から3Dシーンフローを計算するためのツールです。キャリブレーションなしでも、時刻が異なる2枚の画像から、3D空間での物体の動きを推定することが可能です。これは、リアルタイムな環境での動体解析や、キャリブレーションが困難な場合に特に有効です。

scene_flow_uncalib 関数の概要

scene_flow_uncalibは、未キャリブレーションのカメラから撮影された画像ペアを基に、シーンフローを推定します。このシーンフローは、各ピクセルの3D空間での動きを示すベクトルフィールドとして表現されます。

関数の構文

scene_flow_uncalib(Image1, Image2, MotionField)

• Image1
  最初の時刻での入力画像。
• Image2
  次の時刻での入力画像。
• MotionField
  出力されるシーンフローフィールド。

使用例

次の例では、異なる時刻に撮影された2枚の画像からシーンフローを計算します。

* 画像の読み込み
read_image(&Image1, 'scene1_01')
read_image(&Image2, 'scene1_02')

* シーンフローを計算
scene_flow_uncalib(Image1, Image2, &MotionField)

* 結果の表示
disp_motion_field(MotionField)

このコードでは、Image1とImage2の2つの画像を使い、カメラがキャリブレーションされていない場合でも、3D動きを正確に推定します。シーンフローはMotionFieldとして出力され、視覚化されます。

応用シナリオ

• 未キャリブレーションカメラシステムの解析: 簡易なカメラ設定や、キャリブレーションが不可能な環境での動き検出。
• 移動体追跡: 動的な環境で、特にカメラパラメータが不明な状況下での物体追跡。
• 自律移動ロボット: 自律ロボットの視覚システムにおいて、カメラのキャリブレーションなしで周囲の動きを捉えることが可能。

結論

scene_flow_uncalib関数は、未キャリブレーションのカメラを用いた場合でも、3Dシーンフローの計算を可能にする便利なツールです。キャリブレーションの手間を省けるため、迅速な動き解析や現場での応用が期待できます。これにより、リアルタイムな動体検出や追跡が簡単になり、さまざまな産業分野で役立ちます。