【HALCON】select_matching_lines 関数について - マッチング直線の選択

HALCONのselect_matching_lines関数は、検出された複数の直線から、指定された基準やテンプレートにマッチする直線を選択するための関数です。画像処理において、特定の基準に合致する直線を抽出することで、物体認識や画像解析の精度を向上させることができます。この関数を使用することで、画像内の直線をフィルタリングし、マッチングに基づいた直線選択を効率的に行うことが可能です。

select_matching_lines 関数の概要

select_matching_linesは、検出された複数の直線の中から、テンプレートや基準に基づいて最も適した直線を選択するために使用されます。選択された直線は、物体認識や位置合わせ、画像解析に活用できます。マッチングは、指定した直線の長さや角度、位置情報に基づいて行われるため、精度の高い直線選択が可能です。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

select_matching_lines(Lines, TemplateLines, MatchingThreshold, SelectedLines)

• Lines
  入力となる直線データ（複数の直線）。
• TemplateLines
  マッチングに使用するテンプレート直線のデータ。
• MatchingThreshold
  マッチングに使用する閾値。
• SelectedLines
  マッチングによって選択された直線が格納される出力パラメータ。

例

* 画像を読み込む
read_image(Image, 'example_image.png')

* エッジ抽出と直線検出を行う
edges_sub_pix(Image, Edges, 'canny', 1, 20, 40)
lines_gauss(Edges, Lines, 'fit_line', 1.0, 5.0, 10.0)

* テンプレート直線（例として手動で設定）
TemplateLines := [StartX, StartY, EndX, EndY]

* マッチング閾値を設定してマッチング直線を選択
select_matching_lines(Lines, TemplateLines, 0.5, SelectedLines)

* 選択された直線を表示
disp_lines(SelectedLines, WindowHandle)

この例では、画像からエッジを検出し、そのエッジに基づいて直線を抽出しています。次に、テンプレートとなる直線を手動で設定し、select_matching_lines関数を使用してテンプレートにマッチする直線を選択しています。結果として、選択された直線が表示されます。

応用例

物体の位置合わせ

テンプレートに基づいて特定の直線を選択することで、物体の位置合わせを効率的に行うことができます。特定の形状や配置に一致する直線を抽出し、物体の位置を精密に計測・調整することが可能です。

パターン認識

select_matching_linesを使用して、画像内の直線パターンを基準に物体の認識や分類を行うことができます。例えば、建物のエッジや工業製品の直線的な部分を基にして、特徴的なパターンを抽出し、分析を行います。

画像フィルタリング

直線が多く含まれる画像に対して、テンプレートにマッチする直線だけを抽出することで、ノイズや不要な直線を排除し、重要な情報のみを抽出します。これにより、解析の精度と効率が向上します。

必要なデータ

select_matching_lines関数を使用するためには、以下のデータが必要です。

• 直線データ：画像内で検出された複数の直線。
• テンプレート直線：マッチングに使用する基準となる直線データ。
• マッチング閾値：マッチングの精度を決定するための閾値。
• 出力パラメータ：選択された直線を格納するための変数。

まとめ

HALCONのselect_matching_lines関数は、検出された複数の直線の中から、指定されたテンプレートや基準にマッチする直線を選択するためのツールです。テンプレートに基づいて直線を効率的に選択することで、物体認識や位置合わせ、パターン認識などの画像処理タスクにおいて大きな効果を発揮します。特に、精度が求められる画像解析において、重要な役割を果たします。