【HALCON】select_obj 関数について - オブジェクトの選択

HALCONのselect_obj関数は、画像内で検出された複数のオブジェクトから、特定のインデックスや条件に基づいてオブジェクトを選択するための関数です。この関数を使用することで、選択したオブジェクトを別途解析したり、特定の処理に利用することができます。複数のオブジェクトが検出されるシーンで、特定のオブジェクトのみを操作したい場合に非常に有効です。

select_obj 関数の概要

select_objは、画像内のオブジェクトや領域（Region）の中から、指定されたインデックスや範囲、条件に合致するオブジェクトを選択します。オブジェクトのインデックスは、複数のオブジェクトが含まれるシーンでそれぞれのオブジェクトに割り当てられる番号です。選択されたオブジェクトは、後続の解析や処理に使用することが可能です。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

select_obj(Objects, SelectedObjects, Index)

• Objects
  複数のオブジェクトデータ（領域）。
• SelectedObjects
  選択されたオブジェクトが格納される出力パラメータ。
• Index
  選択するオブジェクトのインデックス番号（または範囲）。

例

* 画像を読み込む
read_image(Image, 'example_image.png')

* 画像から領域を抽出
threshold(Image, Regions, 128, 255)

* 複数のオブジェクトからインデックス2のオブジェクトを選択
select_obj(Regions, SelectedRegion, 2)

* 選択されたオブジェクトを表示
disp_region(SelectedRegion, WindowHandle)

この例では、画像から領域を抽出し、複数のオブジェクトの中からインデックスが2のオブジェクトを選択しています。選択されたオブジェクトは、結果として表示されます。

応用例

特定のオブジェクトの抽出

画像内に複数の物体や領域が含まれる場合、その中から特定のオブジェクトだけを選択し、詳細な解析や処理を行うことができます。例えば、製品検査で特定のエリアにフォーカスして解析する際に便利です。

インデックスに基づく領域の処理

オブジェクトが複数検出されたシーンでは、インデックスに基づいて特定の領域を抽出し、形状解析や特性の計測などを行うことができます。これにより、不要なオブジェクトを省き、効率的に目的の領域を解析できます。

条件に基づくオブジェクトの選択

select_objは単にインデックスに基づく選択だけでなく、条件に基づいたフィルタリングにも応用できます。例えば、面積や周囲のピクセル数に応じて、特定のオブジェクトを選別して解析することが可能です。

必要なデータ

select_obj関数を使用するには、以下のデータが必要です。

• オブジェクトデータ（領域）：複数の領域やオブジェクトが含まれるデータ。
• インデックス番号：選択するオブジェクトのインデックス番号。
• 出力パラメータ：選択されたオブジェクトを格納する変数。

まとめ

HALCONのselect_obj関数は、画像内で検出された複数のオブジェクトの中から、指定されたインデックスや条件に基づいて特定のオブジェクトを選択するためのツールです。選択されたオブジェクトは、後続の解析や処理に活用でき、複数の物体や領域が含まれるシーンでの効率的な解析をサポートします。製品検査や形状解析など、多くの画像処理タスクにおいて有効です。