【HALCON】set_insert 関数について - 画像描画の重ね描きモード設定

HALCONのset_insert関数は、画像処理や描画における重ね描きモードを設定するための関数です。この関数を使用することで、新しい描画オブジェクトが既存の画像に対してどのように挿入されるかを制御できます。

set_insert 関数の概要

set_insert関数は、画像に新たに描画されるオブジェクトが、既存の画像に対してどのように扱われるかを指定するために使用されます。描画モードには、オブジェクトを上書きする'insert'モードと、既存の画像に重ねて描画する'paint'モードの2つがあります。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

set_insert(Mode)

• Mode
  設定する描画モードです。'insert'（オブジェクトを上書き）または'paint'（既存の画像に描画を重ねる）のいずれかを指定します。

例

* 描画を既存の画像に重ねるモードに設定
set_insert('paint')

* 描画オブジェクトが画像を上書きするモードに設定
set_insert('insert')

この例では、'paint'モードは既存の画像に新しい描画を重ねるように設定し、'insert'モードは描画オブジェクトが既存の画像を上書きするように設定しています。

主なパラメータ

Mode

Modeパラメータは、描画の動作を制御します。設定できる値は次の通りです：

• 'insert'
  新しく描画されるオブジェクトが既存の画像を上書きします。これにより、描画前の画像の内容は消去されます。
• 'paint'
  新しいオブジェクトが既存の画像に重ねて描画されます。このモードでは、画像の既存の内容は保持され、上に新しい描画が追加されます。

応用例

アノテーションの描画

'paint'モードを使用すると、画像に対してアノテーションやマークアップを追加する際、元の画像内容を保持しながら新しい情報を重ねて描画できます。これにより、元の画像に損傷を与えることなく視覚的な補足情報を追加できます。

描画オブジェクトの更新

'insert'モードを使用することで、古いオブジェクトを消去して新しい情報を描画することができます。このモードは、リアルタイムで更新されるオブジェクトの描画や、画面全体をクリアして新しい情報を表示する際に有効です。

まとめ

HALCONのset_insert関数は、画像に対する描画の重ね描きモードを設定するための便利なツールです。この関数を活用することで、画像上に新しい情報を追加する際に、既存のデータを上書きするか、重ねて描画するかを柔軟に制御できます。