【HALCON】set_local_deformable_model_metric 関数について - ローカル変形モデルのメトリック設定
2024-09-10
2024-09-10
HALCON
のset_local_deformable_model_metric
関数は、ローカル変形モデルのメトリック(評価基準)を設定するための関数です。この関数を使用することで、変形可能な物体検出や識別時のマッチング精度を調整し、処理結果を最適化することができます。
set_local_deformable_model_metric 関数の概要
set_local_deformable_model_metric
関数は、ローカル変形モデルを使用して物体を検出する際の評価基準(メトリック)を設定します。この設定により、物体の変形に対して柔軟に対応し、検出精度を高めつつ処理時間を最適化することができます。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
set_local_deformable_model_metric(ModelID, Metric)
ModelID
対象となるローカル変形モデルのIDを指定します。Metric
設定するメトリックの種類を指定します。例えば、'ignore_color_polarity'
や'use_polarity'
などがあります。
例
* 色の極性を無視したマッチングの設定
set_local_deformable_model_metric(ModelID, 'ignore_color_polarity')
* 極性を考慮したマッチングの設定
set_local_deformable_model_metric(ModelID, 'use_polarity')
この例では、ModelID
に対して、色の極性を無視したマッチングと、極性を考慮したマッチングをそれぞれ設定しています。
主なパラメータ
ignore_color_polarity(色の極性を無視)
'ignore_color_polarity'
パラメータを設定すると、色の極性に関係なく、物体検出が行われます。極性とは、明るい部分と暗い部分の関係を指し、この設定により、異なる明るさや反転した画像でも同じ物体として認識できます。
use_polarity(色の極性を考慮)
'use_polarity'
を設定すると、色の極性を考慮してマッチングが行われます。これは、明るさや反転が重要な特徴となる場合に使用され、検出精度が向上しますが、処理時間が増加することがあります。
応用例
物体の向きや明るさが異なる環境での検出
例えば、光の反射や影響で色の極性が変わる場合でも、'ignore_color_polarity'
を設定することで、極性に依存しない安定した検出が可能です。これにより、製造ラインで異なる光条件下での物体検出が向上します。
色や極性が特徴的な物体の検出
逆に、極性が重要な要素である場合には、'use_polarity'
を設定することで、精度の高い検出が行えます。例えば、特定の模様や形状が極性に依存している場合に有効です。
パフォーマンスの最適化
物体の変形や光の影響が少ない場合は、ignore_color_polarity
を設定することで処理時間を短縮できます。一方で、極性が重要な場合には、精度を優先してuse_polarity
を選択することができます。
まとめ
HALCON
のset_local_deformable_model_metric
関数は、ローカル変形モデルを使用した物体検出において、マッチングの精度や計算効率を調整するための重要なツールです。この関数を活用することで、様々な光条件や物体の変形に対応した検出を行い、処理結果の最適化が可能になります。