【HALCON】set_metrology_model_param 関数について - 計測モデルのパラメータ設定
2024-09-10
2024-09-10
HALCONのset_metrology_model_param関数は、計測モデルに関連するパラメータを設定し、画像処理や測定における条件を調整するための関数です。この関数を利用して、計測精度や検出条件を柔軟にカスタマイズし、最適な結果を得ることができます。
set_metrology_model_param 関数の概要
set_metrology_model_param関数は、計測モデルに対して各種パラメータを設定するために使用されます。これにより、測定プロセスで使用するモデルの動作を細かく調整し、精度や処理時間を最適化できます。設定可能なパラメータは、検出精度や計測範囲、計測対象の特性に応じて異なります。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
set_metrology_model_param(MetrologyHandle, ParameterName, Value)
MetrologyHandle
計測モデルを操作するためのハンドルを指定します。ParameterName
設定するパラメータの名前を指定します。例えば、'sigma'や'measure_length1'などがあります。Value
パラメータに対して設定する具体的な値を指定します。
例
* スムージングパラメータを設定
set_metrology_model_param(MetrologyHandle, 'sigma', 1.5)
* 計測長1を設定
set_metrology_model_param(MetrologyHandle, 'measure_length1', 30)
* 計測長2を設定
set_metrology_model_param(MetrologyHandle, 'measure_length2', 10)
この例では、'sigma'に1.5、'measure_length1'に30、'measure_length2'に10を設定しています。
主なパラメータ
sigma（スムージングパラメータ）
'sigma'は、計測モデルがエッジ検出の際に使用するスムージングの強さを指定します。値が大きいほど平滑化が強くなり、ノイズに対して安定しますが、エッジの検出が鈍くなる場合があります。
measure_length1（計測長1）
'measure_length1'は、計測モデルがエッジを測定する際に使用する直線の長さを指定します。値が大きいほど、より広範囲のエッジが検出されます。
measure_length2（計測長2）
'measure_length2'は、計測モデルがエッジ方向に対して測定する幅を指定します。この値を調整することで、エッジの検出精度や対象物の特徴に応じた調整が可能です。
reference_system（基準系の設定）
'reference_system'は、計測モデルにおける基準系を設定します。これは、測定対象が基準系に基づいて位置決めされる場合に重要なパラメータです。
応用例
高精度なエッジ検出
set_metrology_model_paramを使用して、エッジ検出時のスムージングや測定範囲を最適化することで、製造業や検査システムでの高精度な物体寸法測定を実現できます。ノイズの多い環境では、sigmaパラメータを調整して精度を高めることが可能です。
複雑な形状の検出
異なる形状や複雑なオブジェクトの測定には、measure_length1やmeasure_length2を使用して検出範囲やエッジの検出方向を調整することで、精度を確保しつつ効率的な測定を行えます。
動的な基準系の利用
動的な環境での測定において、reference_systemを設定することで、オブジェクトが移動しても、基準に基づいた正確な測定を維持できます。これは、ロボットビジョンや自動化システムにおいて特に有用です。
まとめ
HALCONのset_metrology_model_param関数は、計測モデルのパラメータを柔軟に設定し、エッジ検出や物体測定の精度と効率を最適化するための強力なツールです。この関数を使用することで、様々な環境や対象に対応した計測条件を調整し、高精度な画像処理を実現できます。