【HALCON】set_ncc_model_param 関数について - NCCモデルのパラメータ設定

HALCONのset_ncc_model_param関数は、NCC（Normalized Cross Correlation）モデルにおける各種パラメータを設定し、物体検出やマッチングの精度と処理速度を最適化するための関数です。この関数を使用することで、特定の条件に合わせた画像処理が可能になります。

set_ncc_model_param 関数の概要

set_ncc_model_param関数は、NCCモデルに対して、動作に関連するパラメータを設定します。これにより、物体検出やマッチングプロセスの精度や速度、コントラストに基づくしきい値などを調整できます。NCCモデルは画像内で特徴的なパターンを検出し、その位置や形状を識別するために使用されます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

set_ncc_model_param(ModelID, ParameterName, Value)

• ModelID
  NCCモデルのIDを指定します。
• ParameterName
  設定するパラメータの名前を指定します。例として、'min_score'や'contrast'などがあります。
• Value
  パラメータに対して設定する具体的な値を指定します。

例

* マッチングの最低スコアを0.7に設定
set_ncc_model_param(ModelID, 'min_score', 0.7)

* コントラストのしきい値を30に設定
set_ncc_model_param(ModelID, 'contrast', 30)

* ピラミッドレベルを5に設定
set_ncc_model_param(ModelID, 'num_levels', 5)

この例では、マッチング精度や速度に影響を与えるパラメータの設定を行っています。

主なパラメータ

min_score（最低スコア）

'min_score'は、マッチングにおけるスコアの最小値を設定します。この値を設定することで、マッチングの精度をコントロールできます。値が高いほど、精度の高い一致のみが認識されます。

contrast（コントラスト）

'contrast'は、検出する物体のコントラストのしきい値を設定します。低い値に設定すると、より微細なコントラストの変化を検出しますが、ノイズも拾いやすくなります。高い値は、明確なコントラストを持つ物体のみを検出します。

num_levels（ピラミッドレベルの数）

'num_levels'は、マルチレベルピラミッドで使用する解像度レベルの数を指定します。レベル数を増やすと、マッチング処理がより高速になりますが、精度が低下する可能性があります。

応用例

高精度の物体検出

min_scoreを調整して、物体検出における一致精度を管理することができます。例えば、複雑な背景や微妙な特徴を持つ物体を検出する場合、スコアを高く設定することで、誤検出を減らすことができます。

ノイズが多い環境でのマッチング

contrastパラメータを使用して、ノイズが多い環境や低コントラストの画像でも精度の高い検出を行うことが可能です。しきい値を低く設定することで、ノイズを無視しつつ、必要な対象を検出できます。

処理速度の最適化

num_levelsを調整することで、処理速度を最適化できます。特に、リアルタイム処理が必要な場合、ピラミッドレベルの数を増やすことで高速処理を実現できます。ただし、必要に応じて精度とのバランスを取ることが重要です。

まとめ

HALCONのset_ncc_model_param関数は、NCCモデルの動作に関連するパラメータを設定し、マッチング精度や処理速度を最適化するための重要なツールです。この関数を使用することで、特定の条件に合わせてモデルの動作をカスタマイズし、効率的で高精度な画像処理が可能になります。