【HALCON】set_planar_calib_deformable_model_metric 関数について - 平面キャリブレーション変形モデルのメトリクス設定

HALCONのset_planar_calib_deformable_model_metric関数は、平面キャリブレーション変形モデルのメトリクス（変形モデルの精度基準）を設定し、キャリブレーションに基づく画像処理における変形モデルの精度を調整するための関数です。これにより、変形に対応した物体認識や位置決めの精度を高め、キャリブレーションを伴うモデルの柔軟な変形に対応することができます。

set_planar_calib_deformable_model_metric 関数の概要

set_planar_calib_deformable_model_metric関数は、平面キャリブレーションを使用した変形可能なモデルのマッチングプロセスにおけるメトリクスを設定します。メトリクスとは、モデルがどの程度変形できるかを定義する基準であり、モデルの柔軟性や精度を制御します。この設定により、対象物が平面上で変形した際のマッチング精度を向上させることができます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

set_planar_calib_deformable_model_metric(ModelID, Metric)

• ModelID
  操作対象の変形可能なモデルのIDを指定します。
• Metric
  設定するメトリクスの種類を指定します。'similarity'、'affine'、'projective'などのオプションがあります。

例

* 平面キャリブレーション変形モデルのメトリクスをアフィン変換に設定
set_planar_calib_deformable_model_metric(ModelID, 'affine')

* 平面キャリブレーション変形モデルのメトリクスを類似変換に設定
set_planar_calib_deformable_model_metric(ModelID, 'similarity')

この例では、変形可能なモデルに対してそれぞれアフィン変換と類似変換のメトリクスを設定しています。

主なメトリクスオプション

similarity（類似変換）

'similarity'は、回転、スケーリング、および平行移動のみを許可する変換を指します。この設定は、対象物が回転やスケーリングされているが、変形はしていない場合に最適です。

affine（アフィン変換）

'affine'は、スケーリング、回転、平行移動、そしてせん断を含むアフィン変換を許可します。この設定により、対象物が一定の範囲で形状変化しても、正確にマッチングできます。

projective（射影変換）

'projective'は、対象物がより自由に変形できる射影変換を使用します。このメトリクスは、画像が遠近法によって変形している場合や、より複雑な視点変化に対応する必要がある場合に使用されます。

応用例

精密な物体検出と位置決め

set_planar_calib_deformable_model_metricを使用して、アフィン変換や類似変換に基づく高精度な物体検出を行うことができます。これにより、製造ラインなどで対象物の位置決めや検査を精密に行うことが可能です。

視点変化に対応した物体認識

射影変換（projective）を使用することで、カメラの視点や角度が変わっても、対象物を正確に認識することができます。この設定は、視点が変わる環境でのロボット制御や自動車産業での利用に役立ちます。

回転やスケーリングに対応するマッチング

類似変換（similarity）を選択することで、対象物の回転やスケーリングに対応したマッチングを効率よく行えます。たとえば、印刷物やパッケージの位置や向きを正確に判定する際に効果的です。

まとめ

HALCONのset_planar_calib_deformable_model_metric関数は、平面キャリブレーション変形モデルのメトリクスを設定し、モデルの柔軟性や精度を最適化するための重要なツールです。この関数を利用することで、変形に対応した物体認識や位置決めを高精度に実現でき、様々な産業での応用が期待されます。