【HALCON】set_planar_uncalib_deformable_model_metric 関数について - 非キャリブレーション平面変形モデルのメトリクス設定
2024-09-10
2024-09-10
HALCON
のset_planar_uncalib_deformable_model_metric
関数は、非キャリブレーションの平面変形モデルに対してメトリクスを設定するための関数です。この関数を使用して、平面オブジェクトの変形に対する精度を高め、キャリブレーションなしでも精密な変形認識が可能になります。
set_planar_uncalib_deformable_model_metric 関数の概要
set_planar_uncalib_deformable_model_metric
関数は、キャリブレーションを行わない平面変形モデルに対して、どのように変形するかを決定するメトリクス(基準)を設定します。これにより、カメラのキャリブレーションを必要とせずに、平面オブジェクトの回転、スケーリング、せん断などの変形を正確に認識できます。設定されたメトリクスに基づいて、モデルの変形に対する許容範囲が決まります。
使用方法
基本的な使用方法は以下の通りです。
set_planar_uncalib_deformable_model_metric(ModelID, Metric)
ModelID
変形可能なモデルのIDを指定します。Metric
設定するメトリクスの種類を指定します。'similarity'
、'affine'
、'projective'
のいずれかを選択します。
例
* 射影変換メトリクスを使用する設定
set_planar_uncalib_deformable_model_metric(ModelID, 'projective')
* アフィン変換メトリクスを使用する設定
set_planar_uncalib_deformable_model_metric(ModelID, 'affine')
この例では、それぞれ射影変換とアフィン変換のメトリクスを設定しています。
主なメトリクスオプション
similarity(類似変換)
'similarity'
は、回転、スケーリング、平行移動のみを許可します。オブジェクトがこれらの操作により変形している場合に最適です。オブジェクトの形状は保持されます。
affine(アフィン変換)
'affine'
は、回転やスケーリングに加えて、せん断変形も許可します。この設定は、オブジェクトが少し歪んで見える場合や、柔軟な形状変化を許容したい場合に適しています。
projective(射影変換)
'projective'
は、より複雑な射影変換を許可します。遠近法による変形や視点が変わるような場合に適しており、オブジェクトの外観が大きく変わる状況にも対応します。
応用例
カメラキャリブレーションが不要なオブジェクト認識
set_planar_uncalib_deformable_model_metric
は、カメラのキャリブレーションが行われていない場合でも、精度の高いオブジェクト認識を可能にします。特に、カメラの視点や位置が異なる場合でも、変形に対応して物体を認識できます。
フレキシブルな物体認識
アフィン変換や射影変換の設定により、製造ラインなどで形状が少し歪んだり、角度が異なる物体の認識が可能です。これにより、規格外の製品や柔軟な素材の認識が効果的に行えます。
視点変化への対応
射影変換を使用することで、異なる視点から撮影された平面オブジェクトを正確に認識できます。これは、ロボットビジョンや自動検査において重要な応用です。
まとめ
HALCON
のset_planar_uncalib_deformable_model_metric
関数は、キャリブレーションなしで平面変形モデルに対してメトリクスを設定し、変形に対応したオブジェクト認識を可能にするツールです。これにより、カメラキャリブレーションがない場合でも高精度な物体認識が実現でき、さまざまな産業アプリケーションに応用が期待されます。