【HALCON】shape_trans_xld 関数について - XLDの形状変換

HALCONのshape_trans_xld関数は、XLD（拡張輪郭記述子）データを別の形状に変換するための関数です。XLDは、画像中のオブジェクトの輪郭を高精度で表現するデータ形式であり、この関数を使用して、XLDデータを異なる形式に変換することで、形状解析や画像処理の柔軟性を高めることができます。たとえば、XLDデータをポリゴンや直線に変換して、解析や操作に適した形にすることが可能です。

shape_trans_xld 関数の概要

shape_trans_xld関数は、入力されたXLDデータ（拡張輪郭記述子）を指定された形式に変換します。XLDデータは、物体の輪郭やエッジを詳細に記述するため、形状解析や画像処理に広く利用されます。この関数を使うことで、XLDデータをポリゴンや直線、あるいはスプラインなどの異なる形式に変換し、さらなる解析や処理が行いやすくなります。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

shape_trans_xld(InputXLD, TransType, TransformedXLD)

• InputXLD
  変換を行う入力XLDデータ。
• TransType
  変換のタイプを指定します。たとえば「polygon」「convex」「rectangle2」などがあります。
• TransformedXLD
  変換後のXLDデータを格納する変数。

具体例

以下に、shape_trans_xld関数を使用してXLDデータを変換する例を示します。

* 画像を読み込み、エッジを抽出してXLDを生成
read_image(InputImage, 'objects_image')
edges_sub_pix(InputImage, XLD, 'canny', 1, 20, 40)

* XLDデータをポリゴンに変換
shape_trans_xld(XLD, 'polygon', TransformedXLD)

* 変換されたXLD（ポリゴン）を表示
disp_xld(TransformedXLD, WindowHandle)

この例では、まず画像からXLDデータを生成し、shape_trans_xld関数でそのXLDをpolygon形式に変換しています。変換後のXLDデータは、ポリゴンとして表示され、オブジェクトの輪郭が単純化された形で描画されます。

主な変換タイプ

• 'polygon'
  XLDデータをポリゴンに変換し、輪郭を直線セグメントで表現します。

• 'convex'
  XLDデータを凸包（convex hull）に変換し、物体の最小凸包として形状を単純化します。

• 'rectangle2'
  XLDデータを最小外接回転矩形（rotated rectangle）に変換し、物体を囲む最小の回転矩形で表現します。

• 'circle'
  XLDデータを最小外接円に変換し、物体の形状を円で表現します。

• 'ellipse'
  XLDデータを最小外接楕円に変換します。

応用例

shape_trans_xld関数は、以下のような場面で特に有効です。

• 形状の単純化
  複雑なXLDデータを凸包やポリゴンに変換して形状を単純化し、効率的な解析を行います。

• エッジ解析
  画像内のエッジを抽出し、その輪郭を異なる形式に変換して、形状の特徴を把握します。

• 検査や分類
  製造業などで、部品の輪郭を解析し、規定の形状に一致するかを判断する際に、XLDデータを変換して解析を行います。

まとめ

HALCONのshape_trans_xld関数は、XLDデータを異なる形状に変換するための強力なツールです。ポリゴンや凸包、回転矩形などに変換することで、XLDデータの解析や操作が柔軟に行え、物体認識や分類、検査などの画像処理タスクに役立ちます。