【HALCON】sort_region 関数について - 領域の並べ替え

HALCONのsort_region関数は、画像内の複数の領域を指定された基準に従って並べ替えるための関数です。領域は、画像中の物体や特徴部分を指し、これらを順序立てて整理することで、解析や後処理が効率化されます。この関数は、特に物体検出や領域解析において、領域の位置やサイズに基づいて処理を進める場合に役立ちます。

sort_region 関数の概要

sort_region関数は、画像内に存在する領域データを、指定した基準に基づいて並べ替えることができます。例えば、領域の位置（行方向や列方向）、領域の大きさ（面積）などが並べ替え基準として使用可能です。これにより、複数の領域を特定の順序に沿って処理することが簡単になります。

使用方法

sort_region関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

sort_region(Regions, SortedRegions, 'character', 'true', 'row')

• Regions
  入力の領域データです。並べ替える前の領域群を指定します。
• SortedRegions
  並べ替え後の領域データが出力されます。
• SortMode
  並べ替えの基準を指定します。一般的には、“character”（特徴量に基づく並べ替え）が選択されます。
• Ascending
  並べ替えを昇順で行うかどうかを指定します。“true”で昇順、“false”で降順になります。
• Order
  並べ替え基準の詳細を指定します。例えば、“row”（行方向）、“column”（列方向）、“area”（領域の面積）などがあります。

具体例

以下に、sort_region関数を使用して領域を行方向に並べ替える例を示します。

* 画像の読み込みと領域の抽出
read_image(Image, 'example_image')
threshold(Image, Regions, 128, 255)

* 領域の並べ替え（行方向に昇順）
sort_region(Regions, SortedRegions, 'character', 'true', 'row')

* 結果を表示
disp_region(SortedRegions, WindowHandle)

この例では、しきい値処理によって抽出された領域を、行方向に昇順で並べ替えています。並べ替えられた領域は、画像上に表示されます。

ソート基準の種類と特徴

sort_region関数では、さまざまな並べ替え基準が使用できます。以下に主な基準を紹介します。

• “row”（行方向）
  領域を画像の行方向（垂直方向）に基づいて並べ替えます。上から下に配置された物体の解析に便利です。

• “column”（列方向）
  領域を画像の列方向（水平方向）に基づいて並べ替えます。左から右に並ぶ物体の処理で使用されます。

• “area”（面積）
  領域の面積に基づいて並べ替えます。大きな物体から小さな物体までを順に処理する場合に有効です。

• “convexity”（凸性）
  領域の凸性に基づいて並べ替えます。領域の形状に基づく解析を行う際に利用されます。

応用例

sort_region関数は、次のような場面で効果的に利用されます。

• 物体の順序付き検出
  左から右、上から下の順に物体を検出したい場合、この関数を使って領域を並べ替えることで、正しい順序で処理を行うことができます。

• サイズによる分類
  物体の大きさに基づいて領域を分類し、大きな物体から順に処理することで、効率的な解析を実現します。

• パターン解析
  領域を一定の順序で並べ替えることで、規則的なパターンや特徴を抽出する処理が容易になります。

まとめ

HALCONのsort_region関数は、画像中の領域を効率的に並べ替え、解析や後続処理をスムーズに進めるための強力なツールです。特定の順序に従って領域を整理することで、画像処理の精度や効率が向上します。領域の位置や大きさに基づいた処理を必要とする多くのアプリケーションにおいて、この関数は重要な役割を果たします。