【HALCON】spatial_relation 関数について - 領域間の空間的関係解析

【HALCON】spatial_relation 関数について - 領域間の空間的関係解析

2024-09-10

2024-09-10

HALCONのspatial_relation関数は、画像内にある2つの領域の空間的な関係を解析するための関数です。この関数を使うことで、領域同士の距離や方向、接触状態を調べ、物体間の配置や相互関係を評価することができます。物体検出、シーン解析、ロボットビジョンなどの分野で特に有用です。

spatial_relation 関数の概要

spatial_relation関数は、2つの入力領域の間の空間的な関係(距離、方向、接触状態など)を解析します。この解析結果により、物体同士の相対的な位置関係や接触点などを把握することができます。これにより、物体の配置を理解し、それに基づくさらなる処理や制御が可能になります。

使用方法

spatial_relation関数の基本的な使用方法は以下の通りです。

spatial_relation(Region1, Region2, 'distance', 'nearest_point', Distance)
  • Region1
    第一の入力領域です。
  • Region2
    第二の入力領域です。
  • Feature
    計算する空間的な関係を指定します。例として、“distance”(距離)や”direction”(方向)などがあります。
  • Mode
    計算方法を指定します。例えば、“nearest_point”は最も近い点同士の距離を計算します。
  • Distance
    計算結果が出力されます。指定された空間的関係に基づく値がこの変数に格納されます。

具体例

以下に、2つの領域間の最短距離を計算する簡単な例を示します。

* 画像の読み込みと領域の抽出
read_image(Image, 'example_image')
threshold(Image, Region1, 128, 255)
gen_rectangle1(Region2, 100, 100, 200, 200)

* 2つの領域間の最短距離を計算
spatial_relation(Region1, Region2, 'distance', 'nearest_point', Distance)

* 結果の表示
disp_message(WindowHandle, 'Distance: ' + Distance, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、画像から抽出された領域Region1と生成された矩形領域Region2の間の最短距離を計算しています。結果は、距離が画面に表示されます。

空間的関係の種類

spatial_relation関数では、以下のような空間的な関係を計算することができます。

  • “distance”(距離)
    2つの領域間の距離を計算します。Modeに”nearest_point”を指定することで、最も近い点同士の距離が計算されます。

  • “direction”(方向)
    2つの領域間の相対的な方向を計算します。これにより、ある物体が他の物体に対してどの方向に存在するかがわかります。

  • “touching”(接触)
    2つの領域が接触しているかどうかを判定します。接触している場合はtrue、そうでない場合はfalseが返されます。

  • “enclosure”(包含)
    一方の領域がもう一方の領域を包含しているかどうかを判定します。

応用例

smooth_funct_1d_mean関数は、以下のような応用で使用されます。

  • 物体間の距離測定
    シーン内の物体同士の距離を計測し、近接度や相対的な配置を解析する際に有効です。例えば、産業ロボットが物体を扱う際に、正確な位置関係を把握するために使用されます。

  • シーン解析
    画像内の物体の相対的な位置関係を解析し、物体の配置や相互の関係を理解するために使用されます。

  • 接触判定
    複数の物体が接触しているかどうかを判断し、接触している場合に何らかの処理を行うための前提として利用されます。

まとめ

HALCONのspatial_relation関数は、画像内の2つの領域間の空間的な関係を解析するための非常に有用なツールです。距離、方向、接触など、様々な関係を解析することで、物体間の相対的な配置や接触状態を理解し、より高度な画像処理やシーン解析を実現できます。領域間の関係を正確に把握することが重要な多くのアプリケーションで、この関数は大きな役割を果たします。

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