【HALCON】stationary_camera_self_calibration 関数について - 定置カメラの自己キャリブレーション
2024-09-10
2024-09-10
HALCONのstationary_camera_self_calibration
関数は、定置カメラを使用して自己キャリブレーションを行うための関数です。この関数を使用することで、カメラの外部パラメータ(位置や向き)を自動的に推定し、複数の視点から得られた画像データをもとに正確な3D解析が可能になります。この機能は、3Dビジョンや物体位置の復元において重要な役割を果たします。
stationary_camera_self_calibration 関数の概要
stationary_camera_self_calibration
関数は、固定されたカメラが撮影した複数の画像から、カメラの外部パラメータを自己キャリブレーションで推定します。このプロセスは、カメラ自体を動かさずに異なる物体の位置や視点変化を利用して、カメラの向きや位置を推定するもので、3Dシーンの再構築や物体の位置推定に必要です。
この自己キャリブレーションでは、カメラの内部パラメータは既知と仮定されますが、外部パラメータ(カメラの位置や姿勢)が不明な場合に、複数の異なる視点で撮影された画像データからこれらのパラメータを推定します。
使用方法
stationary_camera_self_calibration
関数の基本的な使用方法は以下の通りです。
stationary_camera_self_calibration(CalibImages, CamParamIn, CamParamOut, ObjectModel3D)
CalibImages
キャリブレーションに使用する画像のリストです。異なる視点で撮影された画像が必要です。CamParamIn
カメラの既知の内部パラメータです(焦点距離、主点、歪み係数など)。CamParamOut
キャリブレーション後に出力されるカメラの外部パラメータです。これにより、カメラの位置や向きが推定されます。ObjectModel3D
3Dオブジェクトモデルが出力され、カメラ位置の推定に基づいたシーンの3D復元が可能になります。
具体例
以下は、stationary_camera_self_calibration
関数を使用して、定置カメラの外部パラメータを自己キャリブレーションで推定する例です。
* キャリブレーションに使用する画像の読み込み
read_image(CalibImage1, 'calibration_image_1')
read_image(CalibImage2, 'calibration_image_2')
* 既知の内部パラメータを定義
CamParamIn := [fx, fy, cx, cy, k1, k2, p1, p2]
* 自己キャリブレーションを実行
stationary_camera_self_calibration([CalibImage1, CalibImage2], CamParamIn, CamParamOut, ObjectModel3D)
* 推定されたカメラ外部パラメータの表示
disp_message(WindowHandle, 'Estimated Camera Parameters: ' + CamParamOut, 'window', 12, 12, 'black', 'true')
* 3Dオブジェクトモデルの表示
visualize_object_model_3d(ObjectModel3D, WindowHandle)
この例では、複数の視点から撮影された画像をもとにカメラの自己キャリブレーションを行い、推定されたカメラの外部パラメータと3Dオブジェクトモデルを表示しています。
応用例
stationary_camera_self_calibration
関数は、以下のような場面で有効に使用されます。
-
3Dシーンの再構築
定置カメラを用いた複数視点の画像を基に、カメラの位置と姿勢を推定し、3Dシーンを復元する際に使用されます。 -
物体位置の推定
カメラの自己キャリブレーションを行うことで、シーン内にある物体の正確な位置や向きを推定し、3Dビジョンシステムでのロボット制御や自動検査に役立てられます。 -
視点変化を利用したキャリブレーション
カメラを固定したまま、異なる視点から撮影された複数の画像を用いてキャリブレーションを行うシステムで活用されます。
まとめ
HALCONのstationary_camera_self_calibration
関数は、定置カメラを使用した自己キャリブレーションを行い、外部パラメータを推定するための強力なツールです。複数の視点から撮影された画像をもとに、カメラの位置や向きを正確に推定できるため、3Dシーンの復元や物体位置の推定といった高度な画像処理に活用できます。特に、カメラを動かさずにキャリブレーションを行う場面で有効です。