【HALCON】symm_difference 関数について - 領域の対称差演算

【HALCON】symm_difference 関数について - 領域の対称差演算

2024-09-10

2024-09-10

HALCONのsymm_difference関数は、2つの領域間の対称差(シンメトリックディファレンス)を計算し、新しい領域を生成するための関数です。対称差とは、2つの領域のどちらか一方に存在する部分を抽出し、両方の領域に共通する部分は除外した領域のことです。この操作は、形状解析や画像処理において、2つのオブジェクトや領域の違いを抽出するのに非常に有効です。

symm_difference 関数の概要

symm_difference関数は、2つの領域(Region1Region2)の対称差を計算します。対称差は、2つの領域のどちらか一方に含まれる部分であり、両方の領域に共通する部分は除外されます。この結果、新しい領域が生成され、2つの領域の違いを強調することができます。

基本的な構文

symm_difference(Region1, Region2, DifferenceRegion)
  • Region1
    最初の入力領域です。
  • Region2
    2番目の入力領域です。
  • DifferenceRegion
    対称差を持つ出力領域です。

具体例

以下は、symm_difference関数を使用して2つの領域の対称差を計算する簡単な例です。

* 領域1と領域2を生成
gen_circle(Region1, 100, 100, 50)
gen_rectangle1(Region2, 50, 50, 150, 150)

* 対称差の計算
symm_difference(Region1, Region2, DifferenceRegion)

* 結果の表示
disp_region(DifferenceRegion, WindowHandle)

この例では、Region1として円形の領域を生成し、Region2として矩形の領域を生成しています。symm_difference関数で両方の領域の対称差を計算し、結果をDifferenceRegionとして画面に表示します。

結果の領域

対称差として生成された領域は、円と矩形のどちらか一方にのみ存在する部分で、両方に重なっている部分は除外されます。

応用例

symm_difference関数は、以下のような場面で有効に使用されます。

  • 異常検出
    基準となる正常領域と新しい領域を比較して、異常が発生している部分を検出するために使用されます。例えば、品質検査で欠陥を検出する際に、正常な形状と異なる部分を強調できます。

  • 形状解析
    2つの形状間の違いを明確にするために、対称差を使用して変化や改変があった部分を抽出し、形状の比較解析に役立てます。

  • 画像差分解析
    画像処理において、異なる時点で撮影された画像から異なる部分を抽出する際に、symm_differenceを使用して変化点を検出します。

まとめ

HALCONのsymm_difference関数は、2つの領域の対称差を計算し、異なる領域を抽出するための強力なツールです。この関数を使用することで、形状解析や異常検出において領域の違いを効率的に把握でき、画像処理や検査アプリケーションにおいて重要な役割を果たします。特に、変化のある部分を明確にすることで、解析作業が効率化されます。

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