【HALCON】timed_wait_condition 関数について - 時間制限付き条件待機

HALCONのtimed_wait_condition関数は、指定した条件が一定の時間内で満たされるまで待機するための関数です。この関数は、並列処理や同期処理で重要な役割を果たし、指定した時間内に条件が成立するかどうかを確認し、それに基づいて処理を進めることができます。複数のスレッド間での同期や、特定のイベントが発生するまでの待機処理に効果的です。

timed_wait_condition 関数の概要

timed_wait_condition関数は、他のスレッドやプロセスが特定の条件を満たすのを待つ際に使用されます。この関数は、条件が満たされるまで一定時間待機し、指定された時間内に条件が成立しなかった場合は、タイムアウトとして処理を終了します。これにより、無限に待機することなく、時間制限内で処理が行われます。

基本的な構文

timed_wait_condition(Mutex, Condition, Timeout, ConditionFulfilled)

• Mutex
  同期に使用するミューテックス（排他制御オブジェクト）です。
• Condition
  満たされるまで待機する条件です。
• Timeout
  待機する最大時間をミリ秒単位で指定します。指定時間内に条件が満たされない場合はタイムアウトします。
• ConditionFulfilled
  条件が満たされたかどうかの結果がブール値で出力されます。trueなら条件が満たされ、falseならタイムアウトです。

具体例

以下は、timed_wait_condition関数を使用して、指定した条件が満たされるまで最大5秒間待機する例です。

* ミューテックスと条件変数の生成
create_mutex(Mutex)
create_condition(Condition)

* 条件が満たされるまで5秒間待機
timed_wait_condition(Mutex, Condition, 5000, ConditionFulfilled)

* 結果を表示
if (ConditionFulfilled)
  disp_message(WindowHandle, 'Condition was fulfilled.', 'window', 12, 12, 'black', 'true')
else
  disp_message(WindowHandle, 'Timeout occurred.', 'window', 12, 12, 'black', 'true')
endif

この例では、ミューテックスMutexと条件変数Conditionを作成し、timed_wait_condition関数で最大5秒間待機します。Conditionが5秒以内に満たされればConditionFulfilledにtrueが返され、満たされなければfalseが返されます。

実行結果

• 条件が満たされた場合: ConditionFulfilled = true
• タイムアウトが発生した場合: ConditionFulfilled = false

応用例

timed_wait_condition関数は、以下のような場面で使用されます。

• 並列処理の同期
  複数のスレッドが同時に動作する場合、特定のスレッドが条件を満たすのを待ってから処理を進めるために使用されます。

• イベント待機
  特定のイベントが発生するまで待機する必要がある場合に、タイムアウトを設定して待機することで、無限ループやフリーズを防ぎます。

• 処理の制御
  ある条件が満たされた場合にのみ処理を進めたいときに、一定時間だけ待機し、条件が満たされなければ次のステップへ進むといった制御に利用されます。

まとめ

HALCONのtimed_wait_condition関数は、指定した条件が一定の時間内に満たされるまで待機するための強力なツールです。並列処理や同期処理において、条件が満たされるのを待つと同時に、無限待機を避けるためにタイムアウトを設定することができます。複数スレッド間の同期や、特定のイベントが発生するまでの待機に非常に役立ちます。