【HALCON】train_model_components 関数について - コンポーネントベースのモデル学習
2024-09-10
2024-09-10
HALCONのtrain_model_components
関数は、複雑な物体を複数の部品(コンポーネント)に分割し、それぞれの部品の特徴に基づいて物体全体を認識するためのモデルを学習する関数です。物体を個々のコンポーネントに分割して学習することで、複雑な形状や構造を持つ物体の効率的な認識が可能となります。この手法は、組み立て検査や物体認識、パターンマッチングにおいて特に有効です。
train_model_components 関数の概要
train_model_components
関数は、物体を複数のコンポーネントに分解し、それぞれのコンポーネントを基にモデルを学習します。これにより、物体全体が異なる部品で構成されている場合でも、個々の部品ごとに特徴を捉えたモデルが生成されます。各コンポーネントの位置や形状がモデル化され、学習されたモデルを基に物体認識が行われます。
基本的な構文
train_model_components(TrainImages, ModelComponents, ModelID, Options)
TrainImages
学習に使用する画像セットです。物体を含む複数の画像を渡します。ModelComponents
学習されるコンポーネントのリストです。各部品に対応する部分領域や形状情報を指定します。ModelID
学習後のコンポーネントベースのモデルのIDです。このIDを使用して、後でモデルを適用できます。Options
学習時のオプションパラメータです。例えば、コンポーネントの相対的な位置やスケールに関する設定を行います。
具体例
以下は、train_model_components
関数を使用して、コンポーネントベースのモデルを学習する簡単な例です。
* トレーニング画像の読み込み
read_image(TrainImages, 'training_images')
* モデルコンポーネントの定義
gen_rectangle2(ModelComponent1, 100, 100, 0, 50, 30)
gen_rectangle2(ModelComponent2, 200, 200, 0, 50, 30)
ModelComponents := [ModelComponent1, ModelComponent2]
* コンポーネントベースのモデルを学習
train_model_components(TrainImages, ModelComponents, ModelID, 'num_levels=5;min_score=0.5')
* 学習したモデルを保存
write_model(ModelID, 'component_based_model.cpm')
この例では、まずトレーニング画像TrainImages
を読み込み、2つの矩形領域(ModelComponent1
とModelComponent2
)をモデルコンポーネントとして定義しています。その後、train_model_components
関数を使用してコンポーネントベースのモデルを学習し、ModelID
として保存しています。
実行結果
ModelID
には、学習されたコンポーネントベースのモデルが保存され、物体認識や検査タスクで利用可能です。
応用例
train_model_components
関数は、以下のような場面で使用されます。
-
組み立て検査
複数の部品で構成される物体を認識し、部品ごとの位置や正確性を検査する際に使用されます。各部品が正しく配置されているか、欠損がないかを確認します。 -
複雑な物体認識
複雑な形状や構造を持つ物体を、個々のコンポーネントに基づいて認識します。例えば、機械の部品や建築物の部材など、複数の部品からなる物体の認識に効果的です。 -
位置合わせと検査
物体のコンポーネントが正しい位置にあるか、変形や欠損がないかを確認するための位置合わせ検査にも使用されます。
まとめ
HALCONのtrain_model_components
関数は、複雑な物体をコンポーネントごとに分割して学習するための強力なツールです。組み立て検査や物体認識において、個々の部品をモデル化することで、物体全体を効率的に認識し、正確な検査や解析を行うことができます。コンポーネントごとに物体をモデル化するアプローチは、複雑な形状や構造を持つ物体の解析に非常に有効です。