【HALCON】transform_metrology_object 関数について - 測定オブジェクトの変換

HALCONのtransform_metrology_object関数は、測定オブジェクト（メトロロジーオブジェクト）の位置や姿勢を変換するための関数です。この関数を使用することで、測定オブジェクトの位置や角度を変更し、異なる座標系での検査や解析を実行できます。位置や回転の変換を適用することで、柔軟な計測が可能となり、異なる視点からの分析が容易になります。

transform_metrology_object 関数の概要

transform_metrology_object関数は、測定オブジェクトに対して位置や回転の変換を適用します。これにより、測定オブジェクトの位置や姿勢を調整し、異なる座標系での検査や解析が可能となります。この関数は、製造業や品質管理で使用される画像解析や検査プロセスにおいて非常に有用です。

基本的な構文

transform_metrology_object(MetrologyHandle, Pose, PoseBase)

• MetrologyHandle
  変換対象の測定オブジェクトのハンドルです。
• Pose
  測定オブジェクトを変換するための姿勢（ポーズ）情報です。この情報を使って、測定オブジェクトを新しい位置や角度に移動させます。
• PoseBase
  基準となる座標系の姿勢情報です。これに基づいて、測定オブジェクトをどのように移動させるかを決定します。

具体例

以下は、transform_metrology_object関数を使用して測定オブジェクトを回転させる例です。

* 測定オブジェクトの作成
create_metrology_model(MetrologyHandle)
add_metrology_object_circle_measure(MetrologyHandle, 100, 100, 50, 10, 10, 1, 30, [], [], CircleIndex)

* 初期姿勢の設定
Pose := [0, 0, 0, 0, 0, 0]

* Z軸を基準に90度回転
create_pose_rotation(0, 0, 1, rad(90), PoseBase)

* 測定オブジェクトの変換
transform_metrology_object(MetrologyHandle, Pose, PoseBase)

* 結果の表示
disp_message(WindowHandle, 'Transformed metrology object.', 'window', 12, 12)

この例では、円形の測定オブジェクトを作成し、Z軸を基準に90度回転させています。transform_metrology_object関数を使用して、測定オブジェクトの位置と角度を調整し、新しいポーズに基づいて変換を行います。

実行結果

• 測定オブジェクトがZ軸を基準に90度回転し、新しい位置と姿勢が反映されます。

応用例

transform_metrology_object関数は、以下のような場面で使用されます。

• 異なる視点からの測定
  測定オブジェクトを移動させ、異なる位置や角度から検査や解析を行う場合に有効です。

• 位置合わせの調整
  複数の測定オブジェクトを正確に位置合わせするために、測定オブジェクトを特定の座標系に移動させます。

• 柔軟な検査プロセス
  測定オブジェクトを動的に調整することで、製品の品質管理や検査を柔軟に行うことができます。

まとめ

HALCONのtransform_metrology_object関数は、測定オブジェクトの位置や姿勢を調整し、異なる座標系や視点からの検査や解析を行うための強力なツールです。位置や回転の変換を使用して、柔軟に測定プロセスを最適化することができ、特に製造業や品質管理の分野で広く活用されています。