【HALCON】try_wait_event 関数について - イベントの待機
2024-09-10
2024-09-10
HALCONのtry_wait_event
関数は、スレッドが特定のイベントを待機するための関数です。スレッド間の同期を取る際や、特定の条件が満たされるまでスレッドの実行を一時停止させる際に便利です。try_wait_event
関数は、指定されたイベントが発生した場合にスレッドを再開させ、発生しなかった場合はタイムアウトとして処理を進めることができます。並列処理やマルチスレッド環境でよく使用されます。
try_wait_event 関数の概要
try_wait_event
関数は、イベントが設定されるまでスレッドを待機させるために使用されます。イベントとは、スレッド間での同期や処理の制御を行うためのシグナルのようなもので、特定の処理が終了したり、条件が満たされた場合に他のスレッドに通知を送る役割を果たします。この関数は、イベントが発生するか、指定したタイムアウト期間が経過するまで待機するため、効率的にスレッドを制御できます。
基本的な構文
try_wait_event(EventHandle, Timeout, EventOccurred)
EventHandle
待機対象となるイベントのハンドルです。Timeout
イベントが発生するまでの最大待機時間をミリ秒単位で指定します。-1
を指定すると、無限に待機します。EventOccurred
イベントが発生したかどうかを示すブール値です。true
ならイベントが発生し、false
ならタイムアウトが発生したことを意味します。
具体例
以下は、try_wait_event
関数を使用して、指定したイベントが発生するまでスレッドを待機させる例です。
* イベントの作成
create_event(EventHandle)
* イベントの待機を試行(5000ミリ秒待機)
Timeout := 5000
try_wait_event(EventHandle, Timeout, EventOccurred)
* イベントが発生したかどうかを確認
if (EventOccurred)
disp_message(WindowHandle, 'Event occurred.', 'window', 12, 12)
else
disp_message(WindowHandle, 'Timeout occurred.', 'window', 12, 12)
endif
この例では、try_wait_event
関数を使用して、イベントが発生するか、タイムアウトが発生するまでスレッドを待機させます。タイムアウトは5000ミリ秒(5秒)に設定されており、イベントが発生した場合には「Event occurred.」、タイムアウトの場合には「Timeout occurred.」というメッセージが表示されます。
実行結果
- イベントが発生した場合は「Event occurred.」と表示され、タイムアウトが発生した場合は「Timeout occurred.」と表示されます。
応用例
try_wait_event
関数は、以下のような場面で使用されます。
-
スレッド間の同期
複数のスレッドが協調して処理を進める際に、あるスレッドが終了するまで他のスレッドを待機させ、終了後に処理を再開する場合に使用します。 -
タイムアウトを伴う処理の制御
特定の処理が時間内に完了しない場合、次の処理に進むためにタイムアウトを設定してスレッドを制御します。これにより、無限にスレッドが待機し続けることを防ぎます。 -
リソースの共有
複数のスレッドが共有リソースにアクセスする際、リソースが空くまでスレッドを待機させ、アクセス可能になった時点で再開させるために使用します。
まとめ
HALCONのtry_wait_event
関数は、イベントが発生するまでスレッドを待機させるための強力なツールです。並列処理やスレッド間の同期が必要な場面で、スレッドの実行タイミングを制御するために役立ちます。特に、タイムアウトを設定してスレッドの待機時間を管理することで、プログラムの効率を高め、無限待機を防ぐことができます。