【HALCON】union_cocircular_contours_xld 関数について - 共円なXLD輪郭の統合

HALCONのunion_cocircular_contours_xld関数は、共円なXLD（eXtended Line Description）輪郭を統合し、1つの輪郭として扱うための関数です。この関数を使用することで、複数の円弧状の輪郭を1つにまとめ、画像解析や形状処理を効率的に行うことが可能です。

union_cocircular_contours_xld 関数の概要

union_cocircular_contours_xld関数は、共円（同じ円上にある）な複数のXLD輪郭を統合します。この関数は、指定した円弧の誤差を考慮しながら、輪郭が同じ円に属しているかを判断し、統合された輪郭を生成します。円形構造の解析や形状認識において特に有用です。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

union_cocircular_contours_xld(Contours, MaxArcAngleDiff, MaxArcOverlap, UnionContours)

• Contours
  統合する共円なXLD輪郭。
• MaxArcAngleDiff
  許容される円弧の角度誤差（度単位）。この値を超えない範囲で輪郭が統合されます。
• MaxArcOverlap
  許容される円弧の重なりの最大値（度単位）。この範囲内の重なりが許容されます。
• UnionContours
  統合されたXLD輪郭が格納される変数。

具体例

以下に、union_cocircular_contours_xld関数を使用して共円なXLD輪郭を統合する例を示します。

* 複数の円弧状XLD輪郭を作成
gen_circle_contour_xld(Arc1, 100, 100, 50, 0, 3.14, 'positive', 1.0)
gen_circle_contour_xld(Arc2, 100, 100, 50, 3.14, 6.28, 'positive', 1.0)

* 共円なXLD輪郭を統合（許容誤差: 5度、重なり: 2度）
union_cocircular_contours_xld([Arc1, Arc2], 5, 2, UnionContours)

* 統合された輪郭を表示
disp_xld(UnionContours, WindowHandle)

この例では、2つの円弧Arc1とArc2を作成し、union_cocircular_contours_xld関数を使ってそれらを統合します。MaxArcAngleDiffに5、MaxArcOverlapに2を指定することで、指定した条件内での統合が行われ、統合されたUnionContoursが表示されます。

応用例

union_cocircular_contours_xld関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 円形構造の統合
  画像中に存在する複数の円弧や部分的な円の輪郭を1つに統合し、完全な円として解析したい場合に便利です。

• 形状認識
  複数の分割された円弧を統合し、円形オブジェクトを効率的に認識・解析します。

• 曲線フィッティング
  部分的な円弧を統合し、円形に近い形状のフィッティングや解析を行う際に役立ちます。

まとめ

HALCONのunion_cocircular_contours_xld関数は、共円なXLD輪郭を統合し、1つの円弧または円形を作成するための便利なツールです。この関数を使うことで、円形構造の解析や複雑な形状の認識を効率的に行うことができ、さまざまな画像解析シナリオに活用できます。