【HALCON】vector_angle_to_rigid 関数について - ベクトルの角度から剛体変換を計算

HALCONのvector_angle_to_rigid関数は、2D空間のベクトル間の角度と位置関係を基に、剛体変換（平行移動と回転のみを含む変換行列）を計算するための関数です。これにより、オブジェクトや画像内の形状を、指定した位置や角度に正確に調整・配置することが可能になります。

vector_angle_to_rigid 関数の概要

vector_angle_to_rigid関数は、基準ベクトルと変換後ベクトルを指定することで、2D空間における回転と並進を含む剛体変換を計算します。この関数は、オブジェクトやパターンの位置合わせ、回転、移動を行う際に非常に便利です。剛体変換では、スケーリングや歪みのない、オブジェクトの回転・移動のみを扱います。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

vector_angle_to_rigid(Row1, Col1, Row2, Col2, Row1New, Col1New, Row2New, Col2New, HomMat2D)

• Row1, Col1
  基準ベクトルの始点の行・列座標。
• Row2, Col2
  基準ベクトルの終点の行・列座標。
• Row1New, Col1New
  変換後ベクトルの始点の行・列座標。
• Row2New, Col2New
  変換後ベクトルの終点の行・列座標。
• HomMat2D
  計算された2D剛体変換行列。

この関数は、指定されたベクトルの始点と終点を基に、2つのベクトル間で必要な回転と移動を計算し、その結果を剛体変換行列HomMat2Dとして出力します。

具体例

以下に、vector_angle_to_rigid関数を使用して剛体変換を計算する例を示します。

* 基準ベクトルの始点と終点
Row1 := 100
Col1 := 100
Row2 := 150
Col2 := 150

* 変換後のベクトルの始点と終点
Row1New := 200
Col1New := 200
Row2New := 250
Col2New := 230

* 剛体変換を計算
vector_angle_to_rigid(Row1, Col1, Row2, Col2, Row1New, Col1New, Row2New, Col2New, HomMat2D)

* 結果の変換行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Transformation Matrix: ' + HomMat2D, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、基準ベクトルの始点と終点(100, 100)から(150, 150)を、新しいベクトルの始点と終点(200, 200)から(250, 230)に変換するための剛体変換を計算しています。vector_angle_to_rigid関数により計算された変換行列HomMat2Dは、後続の画像処理やオブジェクト配置に使用できます。

応用例

vector_angle_to_rigid関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• オブジェクトの位置合わせ
  画像内のオブジェクトやパターンを、指定された基準位置や角度に合わせて配置する際に、剛体変換を使用して正確な位置合わせが可能です。

• テンプレートマッチング後の補正
  テンプレートマッチングで検出された物体を、基準座標系に合わせて補正するために使用します。

• 画像の回転・移動
  回転と並進のみを行う剛体変換によって、画像全体や特定の領域の操作が行えます。

まとめ

HALCONのvector_angle_to_rigid関数は、2Dベクトル間の角度や位置関係を基に剛体変換を計算する便利なツールです。この関数を使用することで、画像内のオブジェクトや形状を正確に回転・移動させることができ、位置合わせや画像処理の効率が向上します。