【HALCON】vector_to_fundamental_matrix_distortion 関数について - 歪みを考慮した基礎行列の計算

【HALCON】vector_to_fundamental_matrix_distortion 関数について - 歪みを考慮した基礎行列の計算

2024-09-12

2024-09-12

HALCONvector_to_fundamental_matrix_distortion関数は、カメラレンズの歪みを考慮して2つのカメラ間の基礎行列(Fundamental Matrix)を計算するためのツールです。基礎行列は、ステレオビジョンや3D再構成において、対応点を一致させたり、エピポーラ幾何を解析する際に重要な役割を果たします。この関数は、歪みを含むカメラモデルを扱うため、より精度の高い計算結果を提供します。

vector_to_fundamental_matrix_distortion 関数の概要

vector_to_fundamental_matrix_distortionは、カメラのレンズ歪みを考慮した状態で基礎行列を計算する関数です。基礎行列は、2つの異なるカメラで撮影された画像の対応点を関連付け、エピポーラ幾何に基づいた点の位置関係を記述します。この関数を使用することで、ステレオ画像間の正確な幾何学的関係を把握し、歪みを補正した解析を行うことができます。

関数の基本構文

vector_to_fundamental_matrix_distortion(Points1, Points2, CameraParams1, CameraParams2, FundamentalMatrix)
  • Points1
    最初のカメラで観測された対応点の座標。
  • Points2
    2番目のカメラで観測された対応点の座標。
  • CameraParams1
    最初のカメラの内部パラメータと歪みパラメータ。
  • CameraParams2
    2番目のカメラの内部パラメータと歪みパラメータ。
  • FundamentalMatrix
    計算された基礎行列(出力)。

この関数は、2つのカメラ間で対応する点の座標をもとに、カメラの歪みを考慮しながら基礎行列を計算します。

使用方法

以下は、vector_to_fundamental_matrix_distortionを使用して、カメラ間の基礎行列を計算する基本的な例です。

* 対応点とカメラパラメータを定義
Points1 := [[120, 130], [200, 220], [310, 340]]  * カメラ1の対応点
Points2 := [[122, 128], [198, 223], [312, 337]]  * カメラ2の対応点

CameraParams1 := [fx1, fy1, cx1, cy1, k1_1, k2_1]  * カメラ1の内部パラメータと歪みパラメータ
CameraParams2 := [fx2, fy2, cx2, cy2, k1_2, k2_2]  * カメラ2の内部パラメータと歪みパラメータ

* 基礎行列を計算
vector_to_fundamental_matrix_distortion(Points1, Points2, CameraParams1, CameraParams2, FundamentalMatrix)

* 基礎行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Fundamental Matrix: ' + FundamentalMatrix, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、2台のカメラで撮影された画像の対応点を基に、カメラの内部パラメータやレンズ歪みを考慮して基礎行列を計算しています。

応用例

vector_to_fundamental_matrix_distortionは、次のようなシナリオで使用されます。

  • ステレオビジョンでの3D復元
    2台のカメラで撮影された画像の対応点から、基礎行列を計算し、3D空間内の物体の位置を推定します。

  • カメラの歪み補正
    歪みのあるカメラを使用した場合でも、正確な基礎行列を計算し、対応点の一致やエピポーラ制約を適用することが可能です。

  • エピポーラ幾何に基づく解析
    画像間の対応点の位置関係を基礎行列を使用してモデル化し、エピポーラ幾何を用いた解析やフィルタリングを行います。

具体例

以下は、2台のカメラの歪みを補正しながら基礎行列を計算し、エピポーラ線を描画する具体的な例です。

* 対応点とカメラパラメータを定義
Points1 := [[120, 130], [200, 220], [310, 340]]
Points2 := [[122, 128], [198, 223], [312, 337]]

CameraParams1 := [fx1, fy1, cx1, cy1, k1_1, k2_1]
CameraParams2 := [fx2, fy2, cx2, cy2, k1_2, k2_2]

* 基礎行列を計算
vector_to_fundamental_matrix_distortion(Points1, Points2, CameraParams1, CameraParams2, FundamentalMatrix)

* エピポーラ線を描画
disp_epipolar_lines(Points1, Points2, FundamentalMatrix, WindowHandle)

この例では、カメラの歪みを考慮しながら基礎行列を計算し、対応するエピポーラ線を描画しています。これにより、2つの画像間の幾何学的関係を視覚化することができます。

まとめ

HALCONvector_to_fundamental_matrix_distortion関数は、カメラレンズの歪みを考慮した基礎行列の計算を行い、ステレオビジョンや3D再構成の精度を向上させるための重要なツールです。この関数を使用することで、複雑なカメラシステムにおいても正確な対応点の解析や幾何学的な関係をモデル化することが可能です。

Recommend