【HALCON】vector_to_proj_hom_mat2d 関数について - ベクトルから射影ホモグラフィ変換行列の計算

HALCONのvector_to_proj_hom_mat2d関数は、対応する2Dベクトルを基に、射影ホモグラフィ変換行列を計算するための関数です。射影ホモグラフィは、2D画像における幾何学的変換を表現し、画像間の視点変換やパースペクティブ補正に使用されます。この関数により、視点の変更や遠近感の補正を含む精密な画像変換が可能になります。

vector_to_proj_hom_mat2d 関数の概要

vector_to_proj_hom_mat2d関数は、元の座標と変換後の座標の対応点セットを使用して、射影変換を行うための2Dホモグラフィ変換行列を計算します。この変換行列を使用すると、画像間の視点変換や幾何学的な調整が可能となります。特に、画像の遠近感を補正したり、異なる視点から見た画像の重ね合わせに使用されます。

使用方法

基本的な使用方法は以下の通りです。

vector_to_proj_hom_mat2d(Row1, Col1, Row2, Col2, HomMat2D)

• Row1, Col1
  元の画像における対応点の座標（行・列）。
• Row2, Col2
  変換後の画像における対応点の座標（行・列）。
• HomMat2D
  計算された2Dホモグラフィ変換行列。

この関数を使用することで、元の画像と変換後の画像の対応点から射影ホモグラフィ変換行列を計算し、HomMat2Dとして出力します。

具体例

以下に、vector_to_proj_hom_mat2d関数を使用して射影ホモグラフィ変換行列を計算する例を示します。

* 元の画像の対応点
Row1 := [100, 200, 200, 100]
Col1 := [100, 100, 200, 200]

* 変換後の画像の対応点
Row2 := [120, 220, 210, 110]
Col2 := [110, 110, 210, 210]

* 射影ホモグラフィ変換行列を計算
vector_to_proj_hom_mat2d(Row1, Col1, Row2, Col2, HomMat2D)

* 結果の変換行列を表示
disp_message(WindowHandle, 'Homography Matrix: ' + HomMat2D, 'window', 12, 12, 'black', 'true')

この例では、元の画像と変換後の画像の対応点を使用して、射影ホモグラフィ変換行列を計算しています。これにより、異なる視点や角度から見た画像間での幾何学的な変換を実現できます。

応用例

vector_to_proj_hom_mat2d関数は、以下のようなシナリオで特に有用です。

• 視点変換
  画像間の視点を調整し、異なる角度から撮影された画像を正確に重ね合わせます。

• パースペクティブ補正
  写真やスキャン画像の遠近感を補正し、幾何学的に正しい形状に変換します。

• 画像の位置合わせ
  異なる視点や角度で撮影された画像を対応点を基に正確に位置合わせするために使用されます。

まとめ

HALCONのvector_to_proj_hom_mat2d関数は、2Dベクトルの対応点から射影ホモグラフィ変換行列を計算し、視点変換やパースペクティブ補正を行うための強力なツールです。画像処理や視点の変更を伴う幾何学的な画像変換において、精度の高い処理が可能になります。